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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「なぜプロ野球スカウトも絶賛する“あの投手”がランクインしてない?」“ドラ1候補”ベスト10から漏れた有力ピッチャーについての言い訳
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph bySankei Shimbun
posted2022/07/06 17:00
今秋のドラフト注目候補の河野佳(大阪ガス〔広陵高〕・176cm80kg・右投右打)。筆者はなぜ中間ベスト10に入れなかったのか?
<中間ベスト10(投手編)・次点>
■門別啓人 東海大札幌高・182cm85kg・左投左打
■森下瑠大 京都国際高・179cm75kg・左投左打
■森山暁生 阿南光高・182cm87kg・左投左打
■山田陽翔 近江高・175cm80kg・右投右打
■河野佳 大阪ガス(広陵高)・176cm80kg・右投右打
高校生左腕3人、近江の山田陽翔に、大阪ガスの河野佳……いずれも、スカウトの評価が高いといわれる快腕たちだ。
こうやって、あらためて名前を並べてみると、さんざん迷った「あの余韻」が再びこみ上げてくる。この5投手には、順番はつけられない。「次点」ということで、お許しいただきたい。
プロ野球スカウト「彼の野球センスは一級品」
なかでも、関係者から東海大札幌高・門別啓人への評価は高い。
侍ジャパン大学代表選考合宿の平塚球場で、スカウトに訊いてみた。
「北海道の高校生投手で、門別、坂本(拓己、知内高)、斉藤(優汰、苫小牧中央高)……順番をつけると、どうなりますか?」
3人が3人とも、門別、斉藤、坂本……の順になった。
「大型左腕なのに、バランスが抜群」、「ヒジから先の感覚がいい」、「バッティングも含めて野球センスが一級品」……門別への賛辞が続く。
私が「第6位」に挙げた斉藤優汰より、評価が上回った。
実力が互角なら左腕の方が「上」になるのが、ドラフトのお約束。スカウトに訊けば「やっぱり門別のほうが……」となるが、斉藤のマウンドでの立ち姿の雄大さや、189cmの長身から柔軟に、豪快に投げ下ろす角度と球威は、私には将来の「大魔人」にすら、見えているのだが……。
本来なら「ベスト10入り」していた高校生左腕
コロナ感染による体調不良さえなかったら、森下瑠大(京都国際)は第3位でもよいと考えていた。1年間しっかり基礎体力を養えば、2年目からは阪神・伊藤将司投手ぐらいの働き(昨年ルーキーイヤーで10勝7敗)はできる……そう見ていた。