酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
落合博満は「圧勝で三冠王」を経験したが… 村上宗隆22歳「最年少三冠王」へのライバルは誰か〈王さんやノムさんはどうだった?〉
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2022/06/27 17:10
この6試合、中日・巨人相手に11安打5本塁打15打点。村上宗隆の打棒が止まらない
昨年は39本で村上と本塁打王を分け合ったものの、2020年、21年と本塁打、打点の二冠王を連続で獲得。タイトル争いの経験者は、競り合いになると強い。岡本は6月30日の誕生日で26歳となるが、すでに大打者の風格がある。村上にとって最大のライバルだろう。
見る側とすれば「三冠王への道」は無風よりもデッドヒートの方が望ましい。村上宗隆と岡本和真はかつてのONに匹敵する“世紀のライバル”になっていくのではないか。
過去の三冠王の年齢と比べると、村上は飛びきり若い
村上宗隆は、今年2月2日に22歳になったばかり。過去の三冠王と比べても格段に若い。
<三冠王獲得時の年齢>
1938年秋 中島治康(巨人)29歳 (10本38点 率.361)
1965年 野村克也(南海)30歳 (42本110点 率.320)
1973年 王貞治(巨人)33歳 (51本114点 率.355)
1974年 王貞治(巨人)34歳 (49本107点 率.332)
1982年 落合博満(ロッテ)28歳 (32本99点 率.325)
1985年 落合博満(ロッテ)31歳 (52本146点 率.367)
1986年 落合博満(ロッテ)32歳 (50本116点 率.360)
1984年 ブーマー(阪急)30歳 (37本130点 率.355)
1985年 バース(阪神)31歳 (54本134点 率.350)
1986年 バース(阪神)32歳 (47本109点 率.389)
2004年 松中信彦(ダイエー)30歳 (44本120点 率.358)
中島、最初の三冠王のときの落合でさえ20代後半だった。三冠王は心技体が充実し、円熟の域に差し掛かる30歳前後で獲得するもの。“村上は早すぎる”という声もあるだろうが、中西太の前例もある。令和最初の三冠王が最年少というのもフレッシュでよいのではないか。
史上最年少の三冠王へ向けて、村上宗隆は夏以降もぜひ、豪打を見せつけてほしいものだ。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。