セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
「フトンサービス7500円」「禁断マッサージ暴露本と種馬扱いのDF」ユーベ主力らが日韓W杯の裏で起こした“破廉恥スキャンダル”
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2022/06/27 17:01
2000年代前半、華やかなりし頃のユベントス。強さの土台だった鉄壁DF陣が起こした「破廉恥スキャンダル」とは?
事件の翌03年3月、早期釈放された女主人マリターノは『Massaggi proibiti 禁断のマッサージ』という著書を出版した。発表会見で、元女主人はかつて築いた愛の館の思い出と夢を語っている。
「夢に肉体を差し出すことにやましいことなどないわ。私たちの商売は清廉潔白よ。『ビバ・レイン』はとてもいい店だった。1つのファミリーだった。友情があって、仲間意識があって。性行為だけじゃなかった。いつかベルギーやオランダのようにイタリアでも(売春宿経営が)合法化されたら、また皆で店を再開したい」
「そそる男」「地中海」「種馬」の暗号で呼ばれて
だが、店の摘発は1人の元マッサージ嬢がきっかけだった。
01年暮、同僚との喧嘩の末に店を辞めた彼女は別の事件で警察に訴えを起こし、最初は隠していた元の職場が供述内容から「ビバ・レイン」と特定された。初めて得られた有力証言を基に、検察は店の鍵の複製や盗聴機設置等の捜査工作を極秘かつ迅速に進めた。長く尻尾をつかませなかった娼館の秘密は、小さな内輪揉めから漏れたのだ。
セリエAの屈強な選手たちは、試合中に生半可なモラルや綺麗事を吹き飛ばすような“野性”を垣間見せることがある。有り余る生命力を滾らせる彼らにとって、「ビバ・レイン」は火照りを発散するためのオアシスだったのかもしれない。
マッサージ嬢たちは、上客のサッカー選手たちを暗号名で呼んでいた。
「そそる男」や「地中海」、「アッズーロ」に「神のような男」。彼らの正体は推測の域を出ないが、トゥドルは「種馬」と呼ばれていたらしい。
日韓W杯の夏から20年、秘密の娼館はもう影も形もない。
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