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「フトンサービス7500円」「禁断マッサージ暴露本と種馬扱いのDF」ユーベ主力らが日韓W杯の裏で起こした“破廉恥スキャンダル” 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2022/06/27 17:01

「フトンサービス7500円」「禁断マッサージ暴露本と種馬扱いのDF」ユーベ主力らが日韓W杯の裏で起こした“破廉恥スキャンダル”<Number Web> photograph by AFLO

2000年代前半、華やかなりし頃のユベントス。強さの土台だった鉄壁DF陣が起こした「破廉恥スキャンダル」とは?

30分 フトン・サービス 55ユーロ(※現在レートで約7500円)
1時間 同 105ユーロ(同14400円)
泡マッサージ(追加) 25ユーロ(同3400円)

 働いていたマッサージ嬢は約30人。地元トリノの主婦や学生を始め、ブラジルやモロッコ、東欧出身者が働く店は、朝9時から夜9時まで昼夜2回転営業の繁盛ぶりで、年間売上は100万ユーロとも150万ユーロともいわれた。

ガサ入れ2カ月前から盗聴マイクと盗撮カメラ

 店の強制捜査から間もなく、トリノ地検は店と関わりがあったと見られるセリエA選手たちを呼び出した。

 事情聴取を受けた選手は、ユベントスの5人を筆頭にトリノ4人、インテルとベローナ、キエーボからそれぞれ2人ずつ、さらにアタランタやピアチェンツァ、ベネツィアも含む計8クラブ、18人に上る。とりわけ、01-02シーズン最終節で劇的な逆転優勝を果たしたばかりの王者ユベントス組には好奇の目が注がれた。

 店にはガサ入れの2カ月前から、潜入捜査によって盗聴マイクと盗撮カメラが仕掛けられており、客との通話から8つあった個室の内装まで地検には筒抜けだった。

 イタリア代表歴をもつMFクリスティアン・ゼノー二は、地検の聴取が始まるとすぐに観念し「店には友人と1度だけ行きました」と白状して、うなだれた。

強面DF3人衆の“肝が据わりすぎな対応”とは

 だが、パオロ・モンテーロ(当時30歳)とイゴル・トゥドル(同24歳)、マルク・ユリアーノ(同28歳)の強面DF3人組は、肝の据わり方がちがった。

 3人揃って店の常連でしたとあっさり認めただけでなく、当時チームの“裏番長”だったモンテーロに至っては、マッサージ嬢の取りまとめ役だった源氏名ソフィー(本名ロレナ・ベルノ)と懇ろの仲だったとも報道されている。店では客との“本番行為”を禁止していたというが、取調べを受けたマッサージ嬢の1人は「もちろん客の要望には何でも応えたわ」と自供した。

 トゥドルは、女主人マリターノがわざわざ電話をかけ「足首を怪我してるみたいだけど、お店に来て(サービスを受けても)大丈夫?」と来店前に気遣いをするほどの得意客だったという。

 昨季ベローナの指揮官だったトゥドルは、今年2月、指導者として初めて古巣ユーベと対戦するにあたり、モンテーロとユリアーノの親友2人の名を挙げつつ、こう述べている。

「20歳で(母国クロアチアのハイドゥク・スプリトから)ユーベに入団したとき、私は単なる小僧っ子にすぎなかった。ユーベでの8年間が私を一人前の男にさせてくれた」

 何せ当時は「審判団のホテルの部屋に“通訳”(と称した売春婦)を送りこんだ」と豪語したユベントスの剛腕フィクサー、GD(ゼネラル・ディレクター)ルチアーノ・モッジの全盛期である。

インテル監督が“SNSのない時代”なのに大炎上したワケ

 破廉恥な風俗スキャンダルは、ユベントスの宿敵インテルにもあった。

【次ページ】 スキャンダルの選手は嘲笑と野次の対象に

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