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井手口陽介「亨梧くんが結果を残しているから、リスペクトが」率直に語る“日本人同士の競争”とポステコグルー監督との関係性

posted2022/06/26 18:03

 
井手口陽介「亨梧くんが結果を残しているから、リスペクトが」率直に語る“日本人同士の競争”とポステコグルー監督との関係性<Number Web> photograph by Getty Images(Celtic FC)

リーグ優勝を果たした際の井手口陽介

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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Getty Images(Celtic FC)

かつて中村俊輔が在籍したセルティック。21-22シーズンには4人の日本人選手が所属する中でリーグ優勝を果たした。古橋亨梧、前田大然、井手口陽介、旗手怜央の4人に現地で直撃。セルティックでの思いなどを聞いた(全4回/古橋編前田編旗手編も)

 

 井手口陽介にとって、セルティックは海外で4クラブ目となる。

 イングランドのリーズ・ユナイテッド、スペインのクルトゥラル・レオネサ、ドイツのグロイター・フュルトを渡り歩いた後、彼は2019年夏にガンバ大阪に戻る決断をした。

見返してやろうという気持ちが強いです

 昨冬、欧州で再挑戦することを決めた理由はただひとつ。日本復帰後、ひと時も消えることのなかった大いなる悔しさだ。

「ずっと、海外にまた行きたいという思いがありました。昨秋にセルティックから話をもらった時も即決でした。前回海外にいた1年半は悔しい思いだけで終わってしまった。自分がどれだけやれるのか。見返してやろうという気持ちが強いです」

 スペイン2部、レオンで過ごした半年間の記憶は鮮明に残っている。2018年、リーズからレンタル移籍で加入した、彼にとって欧州最初のチームではわずか5試合の出場に終わった。出場時間は107分。2月末以降は出場がなく、結果的にロシアワールドカップのメンバー入りを逃す一因にもなった。

「レオンではほぼ半年間試合に出られず大変だった。その後は怪我もあって、自分の理想としてた形ではなく日本に帰ってしまった。セルティックは2回目の挑戦になる。絶対に結果を残したいという気持ちが強い」

セルティックはクラブとしても溶け込みやすいし

 セルティックに加入し、ピッチ内外で過去のクラブよりもやりやすいという印象を持った。初の海外での体験は必ずしもポジティブなものではなかった。多くの試合でメンバー外となり、朝靄がかかる川沿いを孤独に走る日々が続いた。

「ここはセルティックはクラブとしても溶け込みやすいし、なにより(古橋)亨梧くんが先に結果を残しているから、日本人選手へのリスペクトがあると思います。過去には中村(俊輔)選手も活躍していますし、イメージがいいのかなと。そういう空気は少なからず感じましたね」

 再スタートは不運に見舞われた。デビュー戦となったハイバーニアン戦で早速出場したものの、続くカップ戦で激しいタックルにあい負傷。足首を痛め、約1カ月離脱することになった。メンバーを固定するポステコグルー監督の下で、以降は十分な出場機会は得られなかった。

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