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「最初に勝つ日本人騎手は『武豊』でなくては」ドウデュースで日本ダービー制覇、松島正昭オーナーが“武豊と凱旋門賞”にこだわる理由
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKeiji Ishikawa
posted2022/06/25 17:00
ドウデュースで日本ダービーを制した株式会社キーファーズの松島正昭氏。武豊騎手への思いなどを聞いた
武豊と挑む凱旋門賞への思い
2018年7月、ジェニアル(牡、父ディープインパクト、栗東・松永幹夫厩舎=日本在籍時)でフランスのメシドール賞を優勝し、馬主として重賞初制覇。鞍上はもちろん武だった。国内では2019年にマイラプソディ(牡5歳、父ハーツクライ、栗東・友道康夫厩舎)が京都2歳ステークスを勝って重賞初制覇。
「メシドール賞は現地で観戦しました。勝つと思っていなかったので、嬉しかったですね。ジェニアルは日本では2勝しかできなかったのですが、今スウェーデンで種牡馬になっています」
そして昨年、アイルランドのクールモアグループと共同で所有するブルームでサンクルー大賞、ドウデュースで朝日杯フューチュリティステークスを制し、国内外でGI初制覇を遂げた。
現在、海外に7頭ほど共同所有する馬がおり、キーファーズのほか、長女の悠衣さんが代表を務めるインゼルレーシングの所有馬を合わせると50頭ほどになる。海外で共同所有する馬はどれも、凱旋門賞に出走するときは鞍上に武を起用するという条件で直談判して権利を購入した。
「クールモアにはこう言っています。マイ・ドリーム・イズ・ユタカ・タケ・アーク・ウイン、と。そうして共有したブルームで、去年初めて武君と凱旋門賞に参戦したのですが、11着でした。厳しい戦いであることは十分承知しています」
英語圏の関係者には「アーク(Arc)」で凱旋門賞と意味が通じる。
武にとって、ドウデュースで臨む凱旋門賞は10度目の参戦となる。「子供のころからの夢だった」という日本ダービーを1998年にスペシャルウィークで制したときも、ちょうど10度目の参戦だった。
斤量面で有利な3歳時に参戦できるメリットは大きい。
夢の行方は、はたして――。《つづく》
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