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武豊と悲願の凱旋門賞へ…ドウデュースの松島オーナーが明かす“あのダービー”「千両役者やなあ」「武君と夢を共有して…いい人生だな」

posted2022/06/25 17:01

 
武豊と悲願の凱旋門賞へ…ドウデュースの松島オーナーが明かす“あのダービー”「千両役者やなあ」「武君と夢を共有して…いい人生だな」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

今年のダービーを制したドウデュースと武豊。オーナーの松島正昭氏に話を聞いた

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Keiji Ishikawa

今年の日本ダービーを制したドウデュース。武豊騎手とともに悲願を成し遂げた株式会社キーファーズの松島正昭代表に、ダービー当日の記憶、凱旋門賞制覇への思いなどについて聞いた。(全2回の2回目/前編からつづく)

ドウデュースとの出会い「やっと武君に貢献できた」

 松島正昭氏がドウデュースを初めて見たのは、デビュー前、ノーザンファームイヤリングにいたときのことだった。

「数頭から選びました。印象は、可愛かったということだけです(笑)。ぱっと見て男か女かもわからないのに、馬を見るポイントなんてありません」

 期待できそうだと思ったのは、昨年9月に小倉芝1800mで行われた新馬戦を勝ってからだったという。

「武君も友道先生も『走りますよ』と言ってくれました。10月のアイビーステークスを勝ったときに『ホンマに強いかもな』と思い、次走の朝日杯を勝ったときは天にも昇る気分になりました。なかなかいい馬に出会うことができなかったけど、やっと武君に貢献することができた。そう思って、ずっとウルウルしていました」

 競馬界の七不思議のひとつにもなっていた、「武豊は朝日杯を勝てない」というジンクスを、22回目の騎乗にして、ついに打ち壊すことができた。

「自分が思っていたラインより上で、武君と一緒に勝負できる馬にめぐり合えた。次の年の凱旋門賞のために、クラシックでハクをつけよう、と思いました」

ダービーでのユタカコール「千両役者やなあ」

 年明け初戦の弥生賞ディープインパクト記念は2着。つづく皐月賞は、後方からメンバー最速の上がりで追い込むも、3着だった。

「皐月賞は、前目につけて抜け出して勝つと思っていました。実際は後ろからになりましたが、それでも勝つだろう、と。ただ、中山の直線が短いことを忘れていました(笑)」

 道中は自分のリズムで進んで脚を溜め、最後に末脚を爆発させるという走りに磨きをかけたドウデュースは、次走の日本ダービーで、外から豪快に追い込み、3歳世代の頂点に立った。ウイニングランでスタンド前に戻った武とドウデュースを、6万人を超える観客が、大きな拍手と、コロナ禍ゆえ控えめの「ユタカコール」で迎えた。

「僕は普段、自分の馬のレースの道中は見ないんです。手応えが悪くなって下がって行くのを見るのがつらいからです。でも、ドウデュースはいつも抜群の手応えで進むので、ダービーも見ていました。4コーナーを余裕のある手応えで回ってきたときに勝ったと思いました。あの馬は自分より後ろにいた馬に一度も抜かれたことがありませんから。すごく興奮して、血圧がたぶん上が500、下が250くらいになっていたと思います(笑)」

【次ページ】 凱旋門賞はダービー馬対決へ「注目されてほしい」

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