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《宝塚記念》エフフォーリア「復権」のカギを握るのは? ファン投票1位タイトルホルダーをおびやかす、爆発力が怖い“まさかの穴馬”
posted2022/06/25 11:04
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
国内のGIを制した馬が4頭(うち3頭は複数のGIを制覇)。海外GI優勝馬が1頭。海外重賞の勝ち馬が3頭。きわめて多彩な豪華メンバーによる第63回宝塚記念(6月26日、阪神芝内回り2200m、3歳以上GI)が幕を開けようとしている。
タイトルホルダーはまた“圧倒的なパフォーマンス”を見せられる?
スターが揃ったこのメンバーのなか、ファン投票で、歴代最多の19万1394票を集めたのがタイトルホルダー(牡4歳、父ドゥラメンテ、美浦・栗田徹厩舎)だ。
昨年の菊花賞を5馬身差で逃げ切りGI初制覇。今年の天皇賞・春では2着を7馬身突き放す圧巻の逃走劇でGI2勝目をマークした。
キャリア11戦で5勝しているが、それらはすべて逃げ切り。多少ペースが速くなっても、ハナに立つと力むことなくリラックスして走ることができる。ここにはもっと短い距離でスピードを見せている強力な同型がいるのでハナを切るのは難しそうだが、先頭を走ることそのものより、自分のリズムで気分よく走れるかどうかがカギになる。番手からの競馬になっても、近くに他馬のいない状況をつくることさえできれば、菊花賞や天皇賞・春で見せたような圧倒的なパフォーマンスを披露してくれるだろう。
阪神で行われた菊花賞と天皇賞・春を圧勝しているのは強調材料だし、何より状態が素晴らしくいい。1週前と本追い切りに騎乗した横山和生も「先週もいいと思いましたが、今週はもっとよくなったんじゃないか」と大きな手応えを得ている。
天皇賞・春の勝ち馬が同年の宝塚記念を制すれば、2006年のディープインパクト以来16年ぶりで、1984年のグレード制導入以降7頭目の偉業となる。
エフフォーリアの調子は実際どうなのか?
このレースの最大のポイントは、昨年の年度代表馬のエフフォーリア(牡4歳、父エピファネイア、美浦・鹿戸雄一厩舎)が、本来の調子を取り戻しているかどうか、だ。
昨年は、皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念とGIを3勝して圧倒的な強さを見せていたが、今年初戦となった前走の大阪杯ではよもやの9着と惨敗。鹿戸調教師は、初の関西への長距離輸送、発走前にゲートに顔を強打したこと、流れが速くなったことなど、いろいろな要因が重なったのではないかと分析している。