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プロ野球PRESSBACK NUMBER
日ハムOB・西崎幸広が本音で語る“新庄BIGBOSSの序盤戦” 若手の積極起用、リーグ最下位の防御率…今「踏ん張りどころ」のベテランとは?
text by
元永知宏Tomohiro Motonaga
photograph byJIJI PRESS
posted2022/06/23 11:01
球団OBで野球評論家の西崎幸広氏は、BIGBOSS率いるここまでの日本ハムをどう見るのか
目立つ若手の積極起用…ではベテランは?
――実績のある選手も若手も横一線のスタートとなりました。そんななかで、伊藤大海が5勝(リーグ3位タイ)、上沢直之が4勝、防御率2.72、加藤貴之は3勝ですが防御率1.76(リーグ4位)と、ローテーションの軸が確立されつつあります。
西崎 上沢、伊藤大海、加藤の3本柱が見えつつあります。もともと先発陣にはいいピッチャーが揃っていたので心配してなかったのですが、問題はうしろの3人、セットアッパー、抑えをどうするか。ここには課題が残っています。左ピッチャーの堀瑞輝、開幕投手もつとめた北山亘基がどれだけ働くかでしょうね。
――シーズン前、ファイターズに所属する選手全員を、一度は一軍で起用すると新庄監督は宣言していました。
西崎 そう言ったからには実現してほしいです。故障者やまだ実力が足りていない選手もいるので現実的には難しいけど、彼ならばやってくれるんじゃないでしょうか?
――しかし、若手の出番が増えれば、ほかの選手の出場機会が奪われることになります。ベテランにとっては厳しい状況かもしれません。
西崎 ベテランが生きるかどうかは監督次第。新しい監督には、前任者の色がついた選手よりも、自分が見出した若手を使いたいという気持ちがあるはず。数年後を見据えれば、そう考えても不思議じゃない。
――14年連続で50試合以上の登板を続けてきたセットアッパーの宮西尚生が、登録を抹消されて二軍に落ちました。若手を積極的に起用することで、投手陣の形が変わりつつあります。
西崎 若い選手にとってはこれ以上のチャンスはありません。もし今年優勝できなくても、2年後、3年後に狙えればいい。だけど、1年1年が勝負のベテラン選手にとってはかなり厳しいものがありますね。自分の力があるうちに勝ちたいと思うはずですから。そのあたりを誰がフォローしているのかなという心配はありますね。
全盛期と比べて自分の力が落ちていることはベテラン本人がいちばんわかっています。空振りを取れていたはずのボールをファールにされたり、打ち込まれたり。登録抹消された宮西にとっては踏ん張りどころですね。