「あの守備でよく使うな…」巨人・ウォーカー外野手（30歳）がブルペンで“80球投げ込み”…じつは28年前に松井秀喜もやっていた理由

　巨人のアダム・ウォーカーは不思議な選手だ。

　正直に言う。開幕直後に原辰徳監督が左翼でウォーカーを使い出したときには、「あの守備でよく使うな……」と冷ややかに見ていた。

まずい守備を連発していたウォーカー　©︎KYODO

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　肝心のバッティングも最初は真っ直ぐに詰まり、外の変化球にはバットが空を切る。打席でもそんな感じだったので、すぐにファームに落ちると思っていた。

　しかしこの選手、頭が良くて適応能力が高かった。

　もともとスイングスピードが速く、ツボに来れば一発があることは分かっていた。ただ確率が低いのではないかと見ていたが、対戦を重ねる中で投球の待ち方が微妙に変化していく。追い込まれると、変化球をノーステップで打って対応するなど、日本の投手に合わせたバッティングへとどんどん進化していった。

巨人に骨を埋める覚悟でグラウンドに立っている

　そして何より、以前にこのコラムでも書いたが、原監督が僚友のグレゴリー・ポランコ外野手と共に、この2人の外国人選手を一番、買っていたのは「日本で絶対に成功したいと思っている選手」であることだ。巨人に骨を埋める覚悟でグラウンドに立っている。そう思える真摯な姿と努力を見ていたから、指揮官はウォーカーの守備には目を瞑っても使い続けてきたのである。

　そして今度はそこからさらに1歩、踏み込んだ姿を求めるようになってきている。

©︎Kiichi Matsumoto

　亀井善行外野手守備走塁コーチがマンツーマンで行っている守備練習。

「きちっと守備を教えてもらったことがなかった」と本人が語っているというのは、メディアでも幾度となく報じられてきたことだった。

　初めて本格的に守備の基礎を教わり、最初に変化が出てきたのが、打球への入り方だった。最初の頃のようにボールばかりを追いかけずに、きちっと次のプレーを予測して打球にアプローチできるようになってきている。

　そして残された最大の課題……それはもちろんあのスローイングだった。

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