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「あの守備でよく使うな…」巨人・ウォーカー外野手(30歳)がブルペンで“80球投げ込み”…じつは28年前に松井秀喜もやっていた理由 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySankei Shimbun

posted2022/06/17 11:03

「あの守備でよく使うな…」巨人・ウォーカー外野手(30歳)がブルペンで“80球投げ込み”…じつは28年前に松井秀喜もやっていた理由<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

亀井コーチ(右)に見守られながら、送球の練習をするウォーカー

亀井コーチが仕掛けた、ブルペンでの投球練習

 これも開幕当初のようにグラウンドに叩きつけたり、大きく吹かすような送球はいまは次第に無くなってはきている。ただもう1段、レベルアップを図って亀井コーチが仕掛けたのが、ブルペンでの投球練習だった。

 交流戦が終わった直後、6月14日のジャイアンツ球場だ。室内練習場でフリー打撃とノックを受けたウォーカーがブルペンに向かった。そこで投球練習を行う大勢らに混じって、約30分ほどの“投げ込み”を行ったのである。

 1球投げるごとに踏み出した左足の向きを確認したり、ボールの回転をチェックして球数にして約80球。後半にはボールが乱れる場面もあり「スライダー(回転)してきたよ。足を意識して」と亀井コーチが声をかける場面もあったという。

 野手のスローイング矯正のためにブルペンで“投球練習”をさせる。その報道に思い出した光景があった。

プロ2年目の松井秀喜が突然ブルペンにやってきた

 1994年のシーズン中の練習での出来事だったと記憶する。

 当時プロ2年目だった松井秀喜外野手が突然、ブルペンにやってきてマウンドから投げ出したのだ。

 仕掛け人は投手コーチだった堀内恒夫さんである。

 実はこの直前に、右翼を守る松井からのバックホームの送球が大きく外れてしまうことが何度かあった。星稜高校時代には内野を守り、プロ入り後に外野手に転向。キャンプでも捕球練習やクッションボールの処理などはコーチが指導していたものの、外野からのスローイングについては特に教えられることがなく過ごしてきていた。

 もともとの地肩も強く、タイミングがきちっと合えば、それなりの送球ができていたし、二塁走者をホームで殺すこともあった。ただ、実は松井の送球は回転が悪く、スライドもするしシュートもする。力を入れて投げようとすると、余計にその欠点が出やすくなるという“弱点”も抱えていた。

【次ページ】 「身体を沈めて投げることを覚えさせる」

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