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日本とW杯で対戦、ドイツ代表候補がエグい…V10バイエルン勢と19歳のライジングスターも注目なワケ<識者が選ぶブンデスベスト11>
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2022/06/09 17:00
今季も圧倒的な強さを示したバイエルンが前人未到の10連覇を達成。レバンドフスキらが違いを見せつけた
レバンドフスキは5年連続で得点王に
2トップは前人未到の道を往く純正のストライカーと、レーザービームのように相手を出し抜く24歳の若者のコンビとした。
バイエルンに留まらずブンデスリーガを象徴するスター、ロベルト・レバンドフスキは33歳にして円熟の極みにある。鋼鉄のような屈強な体躯で相手DFのプレッシャーをはねのけ、抜群の基本スキルを駆使したトラップ&シュートでゴールを強奪する。ヘディング、ボレー、ミドルと多彩なシュートパターンを有しているため、対戦相手は分かっていても彼の動きを封じられない。
今季はブンデスリーガ34試合出場35得点で、文句なしの自身5年連続の得点王を獲得。もし今夏に彼が他クラブへ移籍すれば、ナーゲルスマン監督率いるバイエルンは陣容再考を余儀なくされるだろう。
もう一方のFWはRBライプツィヒのクリストファー・ヌクンク。彼は驚異的スピードで常に相手バックライン背後を突くランニングを繰り返し、必殺のチップシュートでボールをゴールに納める稀代のスピードスターだ。
速さと知力を併せ持つヌクンク
今季のヌクンクは20得点。レバンドフスキ、パトリック・シック(レバークーゼン)、アーリング・ハーランド(ドルトムント)には及ばなかったが、13アシストはミュラーの16アシストに次ぐリーガ2位の数字だ。左右両足を駆使して広角な視野を取れる点が彼の強みで、速さと知力を併せ持った機動力のある選手である。
今回挙げたベストイレブンのなかには、今冬のカタール・ワールドカップで日本代表が対戦するドイツ代表候補としてシュロッターベック、ター、キミッヒ、ラウム、ホフマン、ミュラー、ビルツと、実に7人が含まれている。ドイツはこれにGKマヌエル・ノイアー、DF二クラス・ズーレ、MFレオン・ゴレツカ、FWニャブリ、FWレロイ・サネらバイエルン勢や海外勢も加わるのだから、相当な強敵であるのは間違いない。
特に常時現地でそのプレーを目撃している者としては、彼らが編成されるチームに日本代表の面々がどう立ち向かうのかを、実は非常に楽しみにしている。
<セリエA編に続く>