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久保建英がGK姿?奇跡の残留に歓喜、“ズボンを抜いだお宝写真”も… 「苦しんだタケのリーガ3年目」をカメラマン視点で振り返る
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/05/25 17:02
残留に安堵する久保建英。最終節は出番が巡ってこなかった
サポーターにズボンをプレゼントしたワケ
サポーターの携帯での自撮りに応じるなどした後、“ユニフォームをくれ”とねだるファンに対し、“これ、俺のじゃないんだよー”と困った表情をした後、意を決すると、ズバッとズボンを下ろし、プレゼントしていた。
その後は、フェル・ニーニョのシュートをキーパーとして受けるなど、ピッチの感触を楽しんでいるようだった。
マジョルカの宴はしばらく続くのかと思われたが、ここはアウェイの地。
警備員なども辛抱強く待っていたとは思うが、そろそろ帰ってくれと促され、マジョルカメンバーも帰ることに。その際には、着用していたGKグローブもファンにプレゼントしているようだった。
このマジョルカの歓喜の残留の裏では、マジョルカとの残留をかけた直接対決で2-6と圧勝し、残留圏に上がっていたグラナダが、ベテランFWモリーナがPKを外してしまったこともありエスパニョールと引き分け、その結果降格することとなった。
東京五輪での涙から始まったシーズンの葛藤
久保にとって2度目のマジョルカの一員としてのシーズンが終わった。
本人にとっては厳しく、不本意なシーズンだったろうことも想像に難くない。
東京五輪3位決定戦後の涙からわずか8日後に始まった、久保のリーガ21-22シーズン。
オリンピックの疲れを感じさせない20歳は、ルイス・ガルシア前監督のもとで信頼を掴みとり、2節以降は先発メンバーとして幸先のいいスタートを切ったかに思えた。
ターニングポイントになったのは、6節のマドリー戦での膝の負傷。過密日程の影響もあっただろう。
自身初となる怪我での長期負傷で、10節近くを欠場することに。久保の欠場とともに、マジョルカは勝利から遠ざかり、順位を落とすこととなった。
怪我からの復帰から2試合目には、途中出場ながらアトレティコ相手に勝ち越しゴールを決めて貴重な勝ち点3獲得に貢献した。
しかし、順位を落としたチームが守備的布陣に傾く中、徐々に序列を落としていった。出場機会を得られなかった最終節は、怪我以降の久保を象徴する試合だったとも言える。