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「どうしても青学を意識します」國學院大2大エースが初海外レース後に明かした“絶対王者への想い”「ぶち倒したい相手です(笑)」
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byShota Matsumoto/adidas Japan
posted2022/05/17 11:00
ドイツで開催されたタイムトライアルレース「ADIZERO: ROAD TO RECORDS」で初海外レースに参戦した國學院大の山本歩夢と平林清澄。ライバル校への率直な想いを語ってくれた
平林は「箱根の田澤(廉)さんや三浦(龍司)さん、今回一緒に来ていたヴィンセントさんを見ていると、まだまだ自分より上です。でも、田澤さんとかは世界と戦える可能性があるわけですよね? だからそこを目指していたら、もしかしたらもっと上が見えてくるかな、と」といえば、山本も「この3人が学生トップだと思うのでそこをしっかり見て、目標にして練習をやっていきたい」と力強い言葉が口をついた。
國學院大の野望「3年後の箱根で青学を倒します」
では、なぜ今回この2人がこのレースに参戦できたのか。
アディダスは今季から國學院大のユニフォームサプライヤーになることを発表しており、その関係性の中から招待という流れになったという。アディダスというグローバルスポーツブランドにサポートされることをどう感じるのか。
「ウェアのブランドにはあまりこだわりがない僕には難しい質問ですね」と笑って打ち明ける平林だが、「今年のチームスローガンのひとつが『変革』なので、アディダスさんにウェアやシューズを提供してもらえるのも、これだけ強い選手と戦えるのも、ひとつきっかけになるかな」と言う。
レースでは平林がややソールの薄くて接地をダイレクトに足で感じられる「Adizero Takumi SEN 8」を、山本は近日発売予定の最新モデル「Adizero Adios Pro 3」と、それぞれ最新モデルを着用しており、両者ともシューズが自分の走りにあっているという実感があるという。
そして主軸とはいえ、まだ2年生の2人が抜擢されたのには前田康弘監督の明確な意思があった。今回のドイツ遠征に同行した前田監督が語る。
「チームとして変にコンパクトになりたくないんです。まとまっているだけだとダメで、上のレベルにいる選手が突き抜けて、他の子が刺激をうけるようにならないといけない。一番上を目指すなら、彼らのような選手が『世界に挑む』というくらいの志を持つべき。そういう切り札的存在がいないと、いまの青学が君臨する箱根は勝てないですから」
事実、2019年の出雲駅伝優勝メンバーで、社会人3年目になるOBの土方英和(ホンダ)はマラソンで日本歴代5位のタイムをたたき出し、同学年の浦野雄平(富士通)も今年2月の大阪・びわ湖毎日マラソンで3位になるなど、世界大会を狙える逸材を輩出している。
だが、いまだチームとして箱根駅伝では3位が最高。前田監督が狙うのが、2025年の1月、平林と山本が4年生で挑む第101回大会での栄冠だ。そこで同じアディダスのユニフォームを纏う王者・青山学院大を倒すつもりだという。