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「どうしても青学を意識します」國學院大2大エースが初海外レース後に明かした“絶対王者への想い”「ぶち倒したい相手です(笑)」
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byShota Matsumoto/adidas Japan
posted2022/05/17 11:00
ドイツで開催されたタイムトライアルレース「ADIZERO: ROAD TO RECORDS」で初海外レースに参戦した國學院大の山本歩夢と平林清澄。ライバル校への率直な想いを語ってくれた
「今日のレースで、考えさせられました。日本のレースでいくら良くても、海外から見たらまったく話にならない。それを肌で実感できたので、これからは国内レースで良くても満足できなくなるな、って」(山本)
「どれだけ恵まれているか、ドイツにきてわかりました」
2人にとっては初の海外レース。平林は海外自体が初めてで、このレースのためにパスポートを取得し、「時差ぼけってどんな感じだろう?」という素朴な疑問を抱きながらドイツへ渡航。山本も中学生のときに家族で韓国へ旅行をしたのが唯一の海外経験だったから、衝撃はレース内容だけではなかったという。
「寮の生活ってきっちりしているので日本の時間が染みつきすぎてるんです。だから、ドイツに来てからも日本時間の22時になると眠くて、眠くて。もう『耐えろ!』って感じでした(笑)。だから『初海外、イエーイ!』はちっともなかったですね。
だって日本でこのレースのメンツが集まること、絶対ないですよね? だからこそ海外へいかないといけないんだなって。大迫(傑)さんなんかはこういうところに単身でいって、戦っていますよね。そういう精神力が、本当の強さの秘訣なんだと思いました」(平林)
「日本の大学で競技できていることがどれだけ恵まれているか、ドイツにきてわかりました。例えば、部にマネージャーさんがいることのありがたみとか、普段の当たり前が当たり前じゃない。こういうことって実体験があるからこそわかるんだなって」(山本)
学生長距離界のトップランナーたちの存在
これからはドイツで同じ衝撃体験をした同級生の2人が、同じチームで切磋琢磨していくことになるが、平林が「やっぱり意識しますよね、ははは(笑)」と笑えば、山本は「平林がこのくらいのペースでやりますっていうのを聞けば、それよりちょっと早いタイムで申告したり(笑)。監督からは『潰し合うなよ』と注意されます」と返していた。
このライバル関係がまず先に見据えるのは、「雲の上の存在」に見えた世界のトップに挑もうとしている学生長距離界のトップランナーたちの存在だった。