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「どうしても青学を意識します」國學院大2大エースが初海外レース後に明かした“絶対王者への想い”「ぶち倒したい相手です(笑)」
posted2022/05/17 11:00
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph by
Shota Matsumoto/adidas Japan
平林清澄、山本歩夢。國學院大の2年生エースの口ぶりからは、直前に受けた衝撃の大きさがありありと伝わってきた。
「もう、レベルが全然違うので……。あの人たちにとっては(レースでのペースは)あくまで“リズム”なんですけど、僕にとってはスピードでガツっといって走ることだったというか。気づいたら(先頭から)離れてしまっていて、自然に置いていかれた。だから自分がキツくなったわけじゃないんですよね。もう、スタンダードが違う」(平林)
「圧倒的なレベルの差を感じました。最初の1kmを2分39秒で入って、自分では“突っ込んだ”という感覚で、そこからあとの4kmをどう粘るかという考えだったんです。でも、他の選手たちはそこからギアがドーン! ドーン!と上がっていきました。走る前はもうちょっと戦えると思ってたんですけど……」(山本)
世界トップ選手に学生ハーフNo.1が挑戦
4月30日に、ドイツのアディダス本社周辺で開催されたタイムトライアルレース「ADIZERO: ROAD TO RECORDS」。約2.5kmの特設周回コースにケニア、エチオピアの選手を中心とした強豪が集い、國學院大からは2人の2年生エースが参加。平林はハーフ、山本は5kmで世界トップレベルの選手と競った。
平林はルーキーイヤーから三大駅伝で存在感を示し、3月の日本学生ハーフを見事に制覇。山本も箱根駅伝で好走をした後、2月にハーフマラソンで日本人学生歴代2位となる60分43秒を叩きだしていた。これからの学生長距離界を担っていくであろう現在の2人には何よりも勢いがあり、期待も高まっていた。
だが結果は、文字通りの“惨敗”だった。平林はハーフで63分33秒、山本は5kmで14分34秒。それぞれの優勝タイムが59分30秒、12分53秒であることからも分かるとおり、勝負に絡むことができないどころか、早々に先頭集団から振り落とされるというレースだった。
「この衝撃をどう受け止めたらいいか、まだわからないのが正直なところです。雲の上過ぎて、『すげえ!』しか出てこなくて、具体的な言葉にできない。でも、これを何かしら生かしていかないといけないし、これがターニングポイントになるな、という実感だけはあります」(平林)