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「25~26歳の時より強い」心身充実のダルビッシュ35歳、野茂超えには「あと40年やらないと(笑)」《勝利、投球回で日本人通算2位に》 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2022/05/13 17:03

「25~26歳の時より強い」心身充実のダルビッシュ35歳、野茂超えには「あと40年やらないと(笑)」《勝利、投球回で日本人通算2位に》<Number Web> photograph by Getty Images

5月6日、マーリンズ戦に7回2失点で勝利し、3勝目を挙げたダルビッシュ

 パドレスへ移籍した昨季は、開幕投手に指名され、前半戦に7勝(3敗)を挙げてオールスターに選出されるなど、期待通りの活躍を見せた。だが、股関節を痛めた後半戦は踏ん張り切れず、最終的に8勝11敗と大きく失速。体力的な不安はないだけに、故障箇所さえ完治すれば、本来の投球を取り戻せる自信を持ち続けていた。

 迎えた今季。オフシーズンはオーナー陣によるロックアウトの影響で短縮キャンプとなったが、ダルビッシュ自身はそれをマイナス要素として捉えていなかった。地元サンディエゴでは、他の投手陣と一緒に定期的に合同トレを行い、フリー打撃に登板するなど、独自に調整を進めてきた。実戦不足を不安視する声がある一方で、「自分のペースで自分のやりたいことができるし、ストレスも何もないので、むしろ僕は楽しかったです」と振り返るほど、心身ともに充実した状態で開幕を迎えた。

日米通算200勝へ視界良好

 開幕後2戦目のジャイアンツ戦こそ2回途中9失点とメッタ打ちされたものの、その後は安定した投球を続け、5月6日のマーリンズ戦では7回2失点と好投し、3勝目を挙げた。持ち前の多彩な変化球に加え、ストレートは最速98マイル(約158キロ)を計測するなど、本来の球威も戻ってきた。

「1試合とんでもないのがありましたけど、それ以外はスプリングトレーニングからそんなに大崩れすることなく来ていると思うので。ただ、いっぱい改善すべきところはあると思います。これから5月、6月となって(シーズンが進んで)いきますけど、少しずついい投手になっていきたいと思います」

 NPBでの93勝と合わせ、この時点(5月6日)で日米通算200勝まであと25勝。

「あと40年」はともかく、「いい投手になっていきたい」との思いを持ち続ける限り、ダルビッシュの限界点は見えてこない。

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