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《NHKマイル》2強以外に「GIで真価を発揮しそうな馬」とは? “圧勝劇は起きない”予感、叩き合いを僅差で制する馬を狙え
posted2022/05/07 11:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
東京競馬場を舞台とする5週連続GIがいよいよ幕を開ける。その皮切りとなる、第27回NHKマイルカップ(5月8日、東京芝1600m、3歳GI)には、3歳マイル王決定戦にふさわしい好メンバーが揃った。
素質馬が並ぶなか、1番人気に支持されるのは、唯一の重賞2勝馬セリフォス(牡、父ダイワメジャー、栗東・中内田充正厩舎)だろう。新馬戦、新潟2歳ステークス、デイリー杯2歳ステークスと3連勝。1番人気で臨んだ朝日杯フューチュリティステークスでは、直線でいったん先頭に立つも、ドウデュースに半馬身かわされ、2着に惜敗した。
勝った2つの重賞で、スプリングステークス2着のアライバル、フラワーカップの勝ち馬スタニングローズ、ファルコンステークスを制したプルパレイといった、強い相手を負かしてきた。朝日杯では、父譲りの競り合う強さを発揮する前にドウデュースに切れ負けしただけで、完敗という内容ではなかった。
過去に3歳初戦でNHKマイルカップを勝った馬はいない
過去4戦すべてがマイル戦で、高いレベルで安定した走りを見せてきた。さらに、ダイワメジャー産駒はNHKマイルカップで最多の3勝をマークしているなど、強調材料は多い。
唯一の不安材料は、朝日杯以来4カ月半ぶりの実戦ということ。過去に、3歳初戦でNHKマイルカップを勝った馬はいない。
しかし、何かトラブルがあって間隔があいたわけではない。中内田調教師が「前走(朝日杯)後少し疲れが出て、シンドいところを見せていたので、じっくり時間を取って、馬の体調と様子を見ながら、NHKマイルカップに使うことになりました」と共同会見で話していたように、早くから決めていた「ぶっつけ」なのである。
騎乗する福永祐一はテン乗りになるが、今年のフェブラリーステークス(カフェファラオ)も皐月賞(ジオグリフ)もテン乗りで勝っている。「またテン乗りの福永か」という結果になる可能性は小さくない。