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「3連単153万円超の大波乱」NHKマイルCを制したダノンスコーピオンはダービーでも好勝負? カワキタレブリー3着は「まぐれではない」

posted2022/05/09 11:35

 
「3連単153万円超の大波乱」NHKマイルCを制したダノンスコーピオンはダービーでも好勝負? カワキタレブリー3着は「まぐれではない」<Number Web> photograph by Photostud

5月8日のNHKマイルカップ(GI)にてハイレベルな競り合いを制しGI初戴冠となったダノンスコーピオン。鞍上は川田将雅

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 東京競馬場のGIに万単位の観客が入ったのは、5万985人が観戦した2020年のフェブラリーステークス以来。久しぶりに府中のスタンドが熱戦に沸いた――。

 3歳のマイル王を決める第27回NHKマイルカップ(5月8日、東京芝1600m、3歳GI)で、川田将雅が騎乗した4番人気のダノンスコーピオン(牡、父ロードカナロア、栗東・安田隆行厩舎)が優勝。激しい叩き合いを制し、2万5000人強の観客を魅了した。

 1番人気に支持されたセリフォスは4着。これで今年のGIは1番人気が7連敗となりワースト記録を更新。昨年のホープフルステークスから、GIでの1番人気は8連敗となった。

3連単153万円超の大波乱

 逃げたトウシンマカオが先頭のまま直線に入った。ラスト400mを切っても先頭を譲らない。

 内からキングエルメスが迫り、さらに内から1番人気のセリフォスが脚を伸ばす。

 外からは、仕掛けのタイミングをはかっていたダノンスコーピオンが差を詰め、ラスト200m手前で初めて右ステッキを入れ、スパートをかけた。

 ダノンスコーピオンがラスト100m付近でトウシンマカオを競り落とした。そして、内埒沿いのセリフォスもかわして先頭に躍り出た。大外から、横山典弘のマテンロウオリオンが豪快に追い込んでくる。そのすぐ内から最低人気のカワキタレブリーも伸びてくる。

 ダノンスコーピオンが体ひとつ抜け出した。が、マテンロウオリオンが1完歩ごとに差を詰め、馬体を離して並びかけたところがゴールだった。

 勝ったのは内か、外か。

 内のダノンスコーピオンが首差でマテンロウオリオンを抑え、激戦を制していた。通算4勝目が、嬉しいGI初制覇となった。

 マテンロウオリオンから首差遅れた3着に最低人気のカワキタレブリーが来て、3連単153万円超の波乱を演出した。4着はにセリフォス、5着は2番人気のインダストリアという結果になった。

【次ページ】 ダノンスコーピオンの最大の勝因とは?

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