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「トミを見たか? クリロナが警告を…」あのユングベリが冨安健洋の復帰戦で歓喜したワケ《ベルカンプ、アンリら無敵アーセナルOBも》
posted2022/04/30 17:04
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
James Williamson/Getty Images
ふくらはぎ痛で離脱していたアーセナルの冨安健洋が、約3カ月ぶりにピッチに立った。
出番が訪れたのは、4月23日に行われたマンチェスター・ユナイテッド戦の後半45+1分のことだった。日本代表DFが途中出場でタッチライン際に立つと、復帰を喜ぶサポーターから「Super Tomiyasu!」のチャントが沸き起こった。
5-4-1の右SBとしてピッチに入り、冨安はすぐにサイドから攻撃に参加した。鋭い動きで縦に突破を図ろうとしたところで、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドがたまらずファウルでブロック。冨安が倒れ、C・ロナウドに警告が出されると、「Super Tomiyasu!」の応援歌が本拠地エミレーツ・スタジアムに再びこだました。
攻撃参加時の身のこなしは離脱前そのもの
試合は冨安投入時のままスコアが変わらず、アーセナルが3-1で貴重な勝利を挙げた。この結果、同日にブレントフォードに引き分けたトッテナムを交わし、来季チャンピオンズリーグ出場圏内の4位に浮上。試合後、23歳のサムライは笑顔でGKアーロン・ラムズデイル、MFマルティン・ウーデゴール、DFセドリク・ソアレスといったチームメートたちと抱擁を交わしていった。
出場時間こそ短かったが、この試合で感じたのは冨安の動きの良さだった。
攻撃参加時に見せた素早い身のこなしは、負傷離脱前の姿そのもの。90分を通して鋭い動きを維持できるかどうかはまだ不透明だが、英サッカーサイトのフットボール・ロンドンが「ここまで長く離脱すると、冨安のシャープネスに大きな疑問符がつく」と懸念していた中で、冨安は上々のプレーを見せたと言えよう。
そして、6季ぶりの欧州CL出場を目指すアーセナルとしても、シーズン終盤の大事な時期で冨安が復帰したのは大きな押し上げとなる。冨安の代わりに右SBを務めていたセドリクは守備の対応に難が見えるだけに、ディフェンスの安定向上で日本代表DFは大きな力になるのは間違いない。
「まずは復帰おめでとう、と伝えたい」
冨安の復帰を喜んでいたのはサポーターだけではない。この試合に駆けつけた元スウェーデン代表MFフレドリック・ユングベリもその1人だ。