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「国内最高額の賞金総額600万円!」ベストセラー作家・東野圭吾はなぜスノボの大会を“自腹で”開くのか?
posted2022/05/07 17:03
text by
秋月透馬(文藝春秋)Toma Akizuki
photograph by
Shigeki Yamamoto/“tochi” sato
「速く華麗に滑れるうえに、ジャンプで魅せることができる。日本で一番上手いスノーボーダーは誰なのか」
それを決める大会『スノーボードマスターズ(以下、SBM)』の第3回大会がこのほど、新潟県妙高市のロッテアライリゾートで行われた。
「夢のような大会を1年、2年で終わらせるつもりはない」
かつて、こう語っていたのは、大会の発起人でもあるベストセラー作家・東野圭吾氏だ。2018年に第1回、2019年に第2回大会が開催されたが、コロナ禍もあって中止が続き、3年ぶりの大会開催となった。
ロシアによるウクライナ侵略など、暗い世相が続く中だったからこそ、「何が何でも開催する覚悟だった」(東野氏)という。
「国内の大会では圧倒的な最高額です」
フリーライディング&ジャンプとバンクドスラロームの2種目で順位を決めるスノーボードコンテストである今大会には、2022年北京冬季オリンピック・スノーボード女子ハーフパイプで銅メダルに輝いた冨田せなや、5位に入賞した冨田るき、2018年平昌冬季オリンピックに出場した片山來夢らが参加。さらには、スノーボードシーンを長く牽引してきたベテランら、国内のトップボーダーたちが集った。
大会の運営責任者の五味克彦氏はこう語る。
「これまでで最もハイレベルな選手たちが集まってくれました。賞金の総額として、東野さんが用意してくださったのは600万円。国内の大会では圧倒的な最高額です。ただ、ベテランから若手まで、これだけの選手たちが集まってくれたのは、一番うまいスノーボーダーの称号が欲しいからこそ。個人的には、これまでスノーボード界を引っ張ってくれた人に、もう一度光が当たる大会になってほしい、という願いもありました」
北京銅・冨田せな「えっ、そんな技術があるの?」
初日のフリーライディング&ジャンプでは、各選手が独創的な滑りを見せた。
男子の部1位は前回優勝者の小西隆文、2位、神宮寺海斗。3位、元木康平。女子の部1位は吉村美乃梨、2位、本多未沙、3位、冨田るき、となった。
初日10位につけた北京オリンピックの銅メダリスト・冨田せなが、大会の魅力を語ってくれた。