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《独占》ネイサン・チェンは秋からイェール大学に復学…引退アリサ・リュウも「大学に行きたいの」 スケーターたちが明かした“最新進路”
posted2022/05/01 11:05
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
4月25日、マンハッタンのミッドタウンでチャリティ団体「フィギュアスケーティング・イン・ハーレム」の25周年記念ガラパーティーが行われた。
これはシャロン・コーエン氏が25年前に創設した、ハーレムとその近辺に住む黒人の子供たちを対象としたチャリティ活動機関。フィギュアスケートを通して、子供たちに自信をつけさせようという趣旨で始められたが、現在はスケートだけでなく、学習プログラムなども設けられている。
このガラは以前はセントラルパークのウォールマンリンクで開催されており、2010年オリンピックチャンピオンのエヴァン・ライサチェックが模範演技を行ったこともある。現在はイベント会場で行われ、25周年となった今年はスポンサー席が一口1000ドルからという豪華なチャリティパーティーが開催された。
現在全米を回っている「スターズオンアイス」の出演メンバー、北京オリンピックに出場したアメリカ代表のスケーターたちが、ボランティアとしてこのガラパーティーに出席。プログラムに参加している黒人の少女たちや、寄付をした一般のファンたちとの交流につとめた。その合間にネイサン・チェン、アリサ・リュウらが筆者の短い取材に応じてくれた。
ネイサン・チェンは「イェール大にフルタイムで復学」
ネイサン・チェンは会場に到着すると、まずネクタイをつけるために化粧室に閉じこもった。メンバー全員がすでにレッドカーペットの前で写真撮影のために並んでいる中、チェンだけがなかなか出てこない。ついにトレーニング仲間のマライア・ベルが化粧室のドアをノックして、「もうみんな待ってるわよ。手伝うから出てきて」と声をかけると、慣れないネクタイをどうにかしめ終わったチェンが登場した。
北京で新オリンピックチャンピオンになってから、何か変化は感じるのだろうか。
「オリンピックチャンピオンになっても、日々の暮らしは特に変わっていないですよ」と相変わらず早口で、筆者との立ち話に応じたチェン。
「日本での公演から戻って、今はこの『スターズオンアイス』の全米ツアーに集中しているので、あまり先のことをゆっくり考えている時間が持てないんです」
来季のことは、まだ未定であることを強調した。
「スケート活動の具体的な計画については、まだ考える時間が必要です。わかっているのは、このツアーに最後まで参加すること、そして学校に戻ること」
休学中だったコネチカット州ニューヘヴンにあるイェール大学は、あと2年残っている。秋から再びキャンパスに戻ってフルタイムで復学するという。