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「え、海浜幕張駅なの?」噂の佐々木朗希を見たくて、JR幕張駅で降りてしまった“ZOZOマリン初心者”の末路…現地を歩いたら何分かかった?
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph byMasashi Soiri/Sankei Shimbun
posted2022/04/25 17:00
佐々木朗希を見てみたくてZOZOマリンスタジアムに初めて行くという人もいるのではないだろうか?そこで「もしJR幕張駅で降りてしまったら…」をシミュレーションしてみた
昆陽神社から2分も歩くとちょっと大きめの交差点にぶつかった。古い地図と照らし合わせてみると、この交差点から東西に走っている道筋は「房総往還」という。その名の通り、江戸(東京)と房総半島を結ぶ街道だ。さらに古い地図ではこの房総往還沿いに市街地があったらしいことがわかる。
江戸時代はもちろん近代になっても昭和の半ばくらいまで、幕張は長らくこの房総往還を中心にした小さな漁村であった。房総往還のすぐ先は海岸線になっていて、貝やノリの養殖が盛んで、他には人参の栽培も行われていたという。房総往還沿いには古い商店があったり、大きなお屋敷風の住宅があったり、このあたりは漁村時代の幕張の名残なのだろうか。
つまり、この房総往還から南に下ると、もうすぐにかつての海岸線を越えてしまうということだ。そこから先は埋め立て地。1960~70年代に東京湾を埋め立ててできた一帯だ。マリンスタジアムも、もちろんかつては海の上、である。
非情な看板「ZOZOマリンスタジアム2000m」
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ほどなく国道14号という交通量も道の広さもとにかくでかい道を渡る。
国道14号を境に、町の風景はいよいよ変わっていく。庶民的な住宅や商店があった陸地部分から埋め立て地に入ると、大型マンションや大きなオフィスビルの類いが目立ちはじめる。東関東自動車道と交差する頃にはますます人工的な町になり、マンションと大きな会社、遠くにイオンモールの看板も見える。すっかり海の上を歩いてだいぶ経つのだが、こういう風景になってくるとZOZOマリンスタジアム近し、といった気分になってくる。
しかし、世の中は甘くない。東関東自動車道の先の交差点に、幕張メッセやZOZOマリンスタジアムへの道案内を示す表示があった。それを見ると、まだなんと2000m、つまり2kmもあるという。2kmという距離は、普通に歩いて30分。佐々木朗希に会うための道のりは、並大抵のものではないのだ。
ということで合計何分かかった?
ハイテク通りと名付けられたこの道を西に向かって歩き進める。沿道には木が植えられているので気持ちはいいが、あまり人気がない。幕張海浜公園の脇道に折れてしばらく歩くと、電車の高架が見えてきた。JR京葉線だ。そしてその高架の脇には海浜幕張駅もある。海浜幕張駅こそが、ZOZOマリンスタジアムの最寄り駅なのだ。