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「え、海浜幕張駅なの?」噂の佐々木朗希を見たくて、JR幕張駅で降りてしまった“ZOZOマリン初心者”の末路…現地を歩いたら何分かかった?
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph byMasashi Soiri/Sankei Shimbun
posted2022/04/25 17:00
佐々木朗希を見てみたくてZOZOマリンスタジアムに初めて行くという人もいるのではないだろうか?そこで「もしJR幕張駅で降りてしまったら…」をシミュレーションしてみた
橋上駅舎の改札を抜けると、ずいぶん広いコンコース。これはたくさんのお客がいっせいにやってきても大丈夫なようなしつらえなのだろうか。なぜかコンコースの片隅にはかつて走っていた国鉄のジョイフルトレイン「なのはな号」の座席がオブジェのごとく展示されている。
それを横目に駅前広場に出ると、何もない(ように見える)。タクシーが1台、ぽつねんとお客を待っているくらいで、あとは昔ながらの雰囲気の交番があるくらいだ。振り返って駅舎を見ても、JR東日本さまらしい華やかさなんてほとんどなくて、国鉄時代のシンプルさをいまも保ち続けているような駅舎である。
しょうがない…幕張駅からZOZOマリンまで歩いてみる
もう、というか最初からお気づきかと思いますが、ZOZOマリンスタジアムには幕張駅からは(歩いて)行けません。行けないことはないけれど、とっても遠い。佐々木朗希に会いに行くぞと勢い込んで、「ロッテ戦なら当日券もあるだろう、とりあえず幕張だったよな、幕張駅まで検索っと……」などとやったら、とてもじゃないけれどプロ野球とは無縁の駅に放り出されることになるのである。
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駅前広場のすぐ先から、まっすぐ南西に延びる通りがあった。奥には踏切が見えるが、きっとこれは京成線の踏切だろう。道の両脇には商店や銀行も建ち並んでいて、幕張の中心はこのあたりだろうということを教えてくれる。賑やかとまではいかないが、それなりに地元の人が行き交う幕張駅前の商店街だ。ここをずっと歩いて行けば、ZOZOマリンスタジアムに着く。とっても遠いが、歩いて行けないこともないので、とりあえずは歩いてみることにする。
その前に、幕張駅の周辺を少々散策してみよう。入り組んだ路地をゆくと、幕張駅から少し離れたところに京成幕張駅がある。こちらもとても小さな駅で、ZOZOマリンスタジアムの気配は感じない。
その京成幕張駅の傍らに、「昆陽神社」という神社があった。昆陽といえばそう、甘藷センセイでおなじみの青木昆陽だ。日本史の教科書で習った。昆陽神社は青木昆陽を祀っている神社で、そのすぐ近くには青木昆陽がサツマイモの試験栽培を行った記念碑もある。なんでも、この地で青木昆陽はサツマイモの栽培を試し、それから関東全域に広がっていったのだとか。そんな江戸時代のドラマが幕張にはあった。京成幕張駅前の保育園が「いもっこ保育園」という看板を掲げていたのは、そうした縁によるものなのだろう。
ここから先は“すべて埋め立て地”
昆陽神社がある通りは、京成幕張駅からまっすぐに海に向かって延びる大通り。ここをまっすぐ進んでも、ZOZOマリンスタジアムにはたどり着けそうだ。