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不調説→“2ホーマーの8試合目”…大谷翔平が修正した「ほんのわずかなズレ」とは? NHK解説者・小早川毅彦が指摘「投打両面で今は分岐点」
posted2022/04/17 06:00
text by
小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph by
Getty Images
私は投打とも大谷選手の調子は決して悪くないと見ています。バッターとしてはまず、昨シーズンに比べスイングの力強さ、スピードが上がっている。オフシーズンに相当トレーニングを積んでスイングスピードを上げる努力をしたのだと思います。その成果はピッチングにも現れていて、ストレートの質も確実に良くなっている。“出力”そのものは去年よりも上がっている状態だと思います。
投手編)2戦未勝利は短かった準備期間が影響か
それではなぜ、開幕直後は苦戦気味だったのでしょうか。まず「投手・大谷」として気になるのはコントロールです。昨シーズンは中盤以降、カットボールを上手く使えるようになって制球力が上がり、四球が減った。ストライクゾーンで攻められるようになったので球数が減り、イニングを多く投げられる好循環が生まれました。
ところが今シーズンはまだ、ボールを操れていないように見えます。アストロズとの開幕戦で、先頭打者のアルトゥーベに投じた初球の160kmストレートが叩きつけるようなショートバウンドになっていたのが象徴的でした。登板2試合目のレンジャーズ戦でも、引っかけてしまったようなボールが何球かありましたね。
これは、投球フォーム云々の問題ではなく単純な調整不足。先発投手は徐々に球数を増やしていきながら調整のペースを上げていくのですが、今年はロックアウトの影響でキャンプの準備期間も短く、大谷投手もオープン戦で当初3試合登板する予定が1回飛ばして2試合しか投げていなかった。そういったところも含め、調整が少し遅れているのかなと思います。実はこれは大谷投手に限った話ではなく、メジャー全体の投手に見られる傾向です。