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《皐月賞に進撃》オニャンコポンの才能を瞬時に見抜いた菅原明良の“不思議な感性”とは?「オニャンコに巡り会えたことが幸せ」 

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田井秀一(スポーツニッポン)

田井秀一(スポーツニッポン)Shuichi Tai

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/04/16 17:00

《皐月賞に進撃》オニャンコポンの才能を瞬時に見抜いた菅原明良の“不思議な感性”とは?「オニャンコに巡り会えたことが幸せ」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

デビュー以来、常にコンビを組んできた菅原明良騎手とオニャンコポン。父エイシンフラッシュと同じローテーション、さらに同じ11番枠で皐月賞に挑む

“進撃”は終わったかと思いきや……

 迎えたデビュー戦。一流騎手を確保した良血馬が集い、“若手が乗る格安馬”の下馬評は単勝オッズ32倍(6番人気)と低かった。好発から2番手につけ、あっさりと抜け出す完勝劇に誰もが驚いた。

 2戦目は、前年に年度代表馬エフフォーリアが制した百日草特別。この出世レースも2番手から抜け出すと、億越えの良血馬を蹴散らした。だが、下克上のデビュー2連勝にも、菅原自身は驚いていなかった。

「2戦とも凄く楽しみにしていて、思った通りいい勝ち方をしてくれた。GIでもやれるんじゃないか、と思いました」

 いよいよGI、ホープフルS。だが、壁は高かった。これまで通りの先行策で挑んだが、11着と初めて大敗を喫する。

 珍名馬の進撃は終わったかに思えたが、わずか3週間後、今度はGIII京成杯に出走する。GIを走っても大きな疲れを見せず、ストレスに押し潰されている様子もない。オニャンコポンは小島の想像を超えてタフな馬だった。続戦、さらに調教の負荷を一段階上げる決断を下す。GIでの雪辱を期し、京成杯直前は末脚を強化するメニューを新しく取り入れた。

「もしかして3着……2着もある? いや、勝つぞ!」

 京成杯当日。これまでと異なる後方待機策をイメージしていた小島だが、最終的には「明良に任せる」と言って送り出した。

 出走16頭で最も速いスタートを切ったオニャンコポン。菅原は最初のコーナーで6番手まで位置を下げた。勝負どころでライバルが仕掛けても動かず、最終コーナーでは10番手。「何かあったのか」。最悪の事態が小島の脳裏をよぎった。だが、心配をよそに他馬よりワンテンポ遅く仕掛けた人馬は後方から鋭く伸びてくる。

「5着はあるかも、もしかして3着……2着もある? いや、勝つぞ! って(笑)」

 小島も驚いたごぼう抜き。デビュー戦と同じ6番人気の低評価を覆す重賞初制覇となった。菅原も馬上で会心のガッツポーズを決める。

「一度大敗したことで思い切って乗れたのが大きかったです。序盤は馬の邪魔をせずフワッと走らせた。じっくり脚を溜めれば伸びてくれると信じていた」

【次ページ】 鞍上・菅原は「ある種の天才というかニュータイプ」

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