沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
皐月賞、勝ったジオグリフの他に“化け物級”の強さを見せた馬とは? ダービーで好走する馬、危険な馬を徹底検証「この馬が中心になる」
posted2022/04/18 11:55
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
またも本命馬が敗れ、穴人気の伏兵が勝利をおさめた。今年のGI5戦で1番人気は全敗。昨年のホープフルステークスから数えると、GIでの1番人気は6連敗となった。
クラシック三冠初戦の第82回皐月賞(4月17日、中山芝2000m、3歳GI)で、福永祐一が騎乗した5番人気のジオグリフ(牡、父ドレフォン、美浦・木村哲也厩舎)が優勝。昨年の札幌2歳ステークスに次ぐ重賞2勝目をクラシック制覇で飾った。
2着は同じ木村厩舎のイクイノックス。1番人気のドウデュースは3着だった。
4頭の凄まじい叩き合いに
逃げたアスクビクターモアが先頭のまま最後の直線に入った。すぐ外のデシエルトは後退し、さらに外からクリストフ・ルメールのイクイノックスと、その外に馬体を併せたジオグリフが猛追してくる。アスクビクターモアの内からはダノンベルーガが伸びてくる。
内からダノンベルーガ、アスクビクターモア、イクイノックス、ジオグリフの4頭が横並びになり、凄まじい叩き合いになった。
ラスト200mを切ったところで、イクイノックスが半馬身ほど抜け出した。内に切れ込みながらも、このまま突き抜けるかと思われたが、外のジオグリフが鋭く前に出て、イクイノックスに1馬身差をつけ、先頭でゴールを駆け抜けた。
大外からドウデュースがメンバー最速のラスト3ハロン33秒8の脚で追い込んできたが、イクイノックスから1馬身1/4遅れた3着を確保するにとどまった。
4着はダノンベルーガ、5着はアスクビクターモア。これら5頭が5月29日の日本ダービーへの優先出走権を獲得した。
5番人気ジオグリフ勝利の最大の要因
テン乗りで、2020年のコントレイルに次ぐ皐月賞2勝目をマークした福永は、ゴール通過直後、鞭を持った右手を突き出した。
「自分が完璧に乗ることができれば勝てる馬だと思っていました。思い描いていたレースができましたし、よくそれに馬が応えてくれました。勝つためにはいいスタートを切ることが絶対条件で、そこを上手くクリアできたことが大きかったですね。取りたいポジションでレースができました。今日のトラックバイアスを見極めてから最終的にレースプランを決めようと思っていました。短距離戦以外は外差しだったので、迷わずああいう競馬(外に持ち出す競馬)を選択しました」