Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

[敬愛するイチローさんへ]松坂大輔「想いを受け継ぐ者として」

posted2022/04/15 07:07

 
[敬愛するイチローさんへ]松坂大輔「想いを受け継ぐ者として」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

photograph by

Takuya Sugiyama

イチローが「価値観を共有できる選手」として真っ先にあげた唯一の存在。それが松坂大輔である。怪物と呼ばれてきた男は、並ぶ者なき孤高の天才をどんな想いで見ているのか。二人にしかわからない18.44mの対話や引退後の野球への向き合い方まで、真摯に余すところなく明かした。

――松坂さんにとってのイチローさんってどんな存在なんですか。

「どんな姿を見ていても嬉しいし、楽しい。常に見ていてワクワク、ドキドキする存在です。この前、球場で会ったときも、フェンスにかけられたシートが透けた向こうにキャッチボールをするイチローさんのシルエットが見えたんです。それだけで、『あっ、イチローさんがいる』ってドキドキしちゃう……そんな人、他にいません」

――なんだか恋人みたいですね。

「僕のイチローさんに対する想いはそれに近いものがあると思います」

――でも、宿敵だったんですよね。

「そうなんですけど(笑)、でも投げながら会話のできる人でした。イチローさんと対戦を重ねるたびに過去のことを考えさせられたり、未来のことまで想像させられる。僕がプロに入る前からイチローさんに対して抱いてきた想いがあるからこそ、マウンドとバッターボックスの間で会話ができていたんだと、僕は勝手にそう思っています」

――イチローというバッターが技術的にすごいのはどういうところだったんですか。

「イチローさんは、漫画の世界のバッターなんです。対峙したとき、どこに投げようかと考えますけど、どんなコースのどの球に対しても、すべてバットが出てくるイメージしか湧いてこない。このコースはこういう形で打たれそう、このボールはこうバットを出されそう、いったいどこへ投げたらいいんだ……これ、楽しいなぁって(笑)」

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 4087文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

#イチロー
#松坂大輔

プロ野球の前後の記事

ページトップ