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《阪神ワースト開幕9連敗》野手成績はそこそこ、防御率5.85の投手陣が改善すればだが… “矢野監督退任と士気の問題”が気になる 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama

posted2022/04/05 11:03

《阪神ワースト開幕9連敗》野手成績はそこそこ、防御率5.85の投手陣が改善すればだが… “矢野監督退任と士気の問題”が気になる<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

佐藤輝明のハーフライナーにギャンブルスタートの近本光司が戻れず併殺ゲームセットなど、阪神は流れに乗れていない

<打線>
近本光司 9試36打11安0本2点0盗 率.306
中野拓夢 9試36打10安0本0点1盗 率.278
佐藤輝明 9試35打10安0本4点1盗 率.286
糸原健斗 9試34打7安0本2点0盗 率.206
大山悠輔 9試31打11安1本6点0盗 率.355
糸井嘉男 8試28打8安2本9点0盗 率.286
マルテ 7試26打4安0本0点0盗 率.154
梅野隆太郎 5試19打5安1本1点0盗 率.263
坂本誠志郎 4試12打3安0本0点0盗 率.250
木浪聖也 6試11打2安1本1点0盗 率.182
ロハス・ジュニア 8試11打1安1本1点0盗 率.091

 チーム打率.239はリーグ3位。外国人選手が不振で、近本光司がまだ0盗塁など気になる点がないわけではないが、特にひどい打線ではない。

 佐藤輝明は本塁打こそ出ていないものの、二塁打はリーグ最多の5本、三振数は減少し、進化の跡が見える。右打者は大山とマルテ、梅野、坂本の捕手2人で、そのほかは左打者(ロハス・ジュニアは両打)。打線そのものは、大きな問題はないと言えよう。昨年まで守備の乱れが問題視されたが、現時点で数字に残る失策数3はリーグ最少である。

本来は投手力のチームが防御率5.85という誤算

<投手陣>
<先発>
藤浪晋太郎 2先0勝1敗11回4本9三6四 率5.73
小川一平 2先0勝2敗10回3本9三4四 率8.10
西勇輝 1先0勝0敗6.2回0本1三4四 率1.35
秋山拓巳 1先0勝1敗5.2回0本3三1四 率4.76
伊藤将司 1先0勝1敗6.1回0本4三1四 率7.11
桐敷拓馬 1先0勝1敗5回1本5三1四 率5.40
ガンケル 1先0勝1敗4回1本2三4四 率9.00

 チーム防御率は5.85で最下位。阪神は本来投手力のチームだが、その誤算が大きかった。

 最初の誤算は開幕投手を予定していた青柳晃洋が登板回避したことだろう。代役の藤浪晋太郎は7回自責点3と好投したが、救援投手が失敗して勝ちを逸した。このショックが今まで続いているような印象を受ける。

 しかし西勇輝、秋山拓巳という実績のある先発は健在で、青柳もすでに実戦復帰しているから先発投手陣の立て直しは可能だろう。

最大の泣き所は「勝利の方程式」が成立していない点

<救援>
渡邉雄大 5登0勝0敗0S 1H 2.2回0本1三2四 率0.00
小野泰己 5登0勝0敗0S 0H 5回1本7三3四 率1.80
浜地真澄 4登0勝0敗0S 0H 4.1回1本4三0四 率2.08
齋藤友貴哉 4登0勝0敗0S 0H 3.1回1本6三2四 率8.10
湯浅京己 3登0勝0敗0S 0H 2回0本2三0四 率0.00
石井大智 3登0勝0敗0S 0H 3回1本2三1四 率6.00
桐敷拓馬 2登0勝0敗0S 0H 1.2回0本2三2四 率0.00
岩崎優 2登0勝0敗0S 2H 1.1回0本2三0四 率6.75
ケラー 2登0勝2敗0S 0H 1.1回2本3三1四 率33.75
アルカンタラ 2登0勝0敗0S 0H 2回0本2三2四 率18.00

 結局、今の阪神の最大の泣き所は「勝利の方程式」が成立していないことだ。

 9連敗中、阪神が一時的にリードした状況は4回あった。しかしそのうち2回は先発投手が失点した。そしてセーブシチュエーションだった開幕戦ではケラーが失敗。広島との1回戦でも1点リードの最終回を任されたケラーが走者を溜め、最終的にはサヨナラ負けした。中継ぎで好投している投手はいるものの、誰をどのポジションで投入するかが見えていない。

【次ページ】 同じ“一人負け”のBIGBOSS日本ハムとは状況が違う?

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