酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
《阪神ワースト開幕9連敗》野手成績はそこそこ、防御率5.85の投手陣が改善すればだが… “矢野監督退任と士気の問題”が気になる
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2022/04/05 11:03
佐藤輝明のハーフライナーにギャンブルスタートの近本光司が戻れず併殺ゲームセットなど、阪神は流れに乗れていない
とりわけケラーが現時点では「失格」の烙印を押された中で、クローザーをだれにするかは喫緊の課題となる。湯浅京己の名前が挙がっているものの、昨年のスアレスのような活躍ができるだろうか?
同じ“一人負け”のBIGBOSS日本ハムとは状況が違う?
今季の序盤は、セ・パ両リーグともに「一人負けのチーム」が出た。しかし、もともと戦力的に下位と見られ、しかもBIGBOSSこと新庄剛志監督がセオリー度外視の布陣を続けている日本ハムと、優勝候補と見られオーソドックスな布陣だった阪神では、状況が違う。
故・野村克也は「負けに不思議の負けなし」と言ったが、作戦面はさておき、阪神は戦力的には「不思議な負け」が続いた。常識的に考えれば、今後は盛り返すのではないか。
ただ――2009年、春先から「今季限りで退任」の情報が流れたバレンタイン監督のロッテが開幕から2勝7敗と大きく崩れたのを見てもわかるように、監督の退任が予告されたチームのモチベーションが高まるとは考えにくい。
今年の阪神は、そういう面でも春先から「重い荷物」を背負ったと言ってよいだろう。
実はこの1週間の最多安打は近本、最多打点は大山
<NPB第2週の成績 2022年3月28日~4月3日>
〇セ・リーグ
巨 人 6試6勝0敗0分 率1.000
DeNA 5試4勝1敗0分 率.800
広 島 6試3勝3敗0分 率.500
中 日 6試3勝3敗0分 率.500
ヤクルト 5試1勝4敗0分 率.200
阪 神 6試0勝6敗0分 率.000
<個人打撃成績10傑>※RCは安打、本塁打、盗塁、三振、四死球など打撃の総合指標
ポランコ(巨)16打4安3本3点 率.250 RC6.04
大島洋平(中)24打9安1本3点1盗 率.375 RC5.79
近本光司(神)24打9安2点 率.375 RC5.65
坂本勇人(巨)19打4安2本4点 率.211 RC5.45
岡本和真(巨)22打6安2本4点 率.273 RC5.44
佐野恵太(De)20打8安1本4点 率.400 RC5.03
大山悠輔(神)21打8安1本6点 率.381 RC4.60
牧秀悟(De)17打5安1本3点 率.294 RC4.39
宮﨑敏郎(De)15打4安1本3点 率.267 RC4.31
吉川尚輝(巨)25打8安4点2盗 率.320 RC3.93
現在首位の巨人勢が10傑の中に4人が名を連ね、ポランコは4安打中3本が本塁打を放った。ただしすべてソロである。最多安打は中日・大島洋平と、9連敗中の阪神・近本の9安打。最多打点も阪神の大山で、盗塁はDeNAの楠本泰史の3が最多。
<個人投手成績10傑>※PRはリーグ防御率に基づく総合指標
柳裕也(中)1登1勝9回 責0率0.00 PR3.07
濵口遥大(De)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.73
ロメロ(De)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.73
堀田賢慎(巨)1登1勝6回 責0率0.00 PR2.05
メルセデス(巨)1登1勝5.1回 責0率0.00 PR1.82
松葉貴大(中)1登5.1回 責0率0.00 PR1.82
大野雄大(中)1登1勝8回 責1率1.13 PR1.73
床田寛樹(広)1登1勝7回 責1率1.29 PR1.39
上茶谷大河(De)1登1勝7回 責1率1.29 PR1.39
今村信貴(巨)3登3H4回 責0率0.00 PR1.36
中日の柳裕也が12球団通じての今季初完封をマークした。DeNAの濱口、ロメロが8回零封の好投。最多セーブはは巨人の新人・大勢の4で、巨人今村信貴、鍬原拓也、DeNA三嶋一輝が3ホールドを挙げている。