当初の構想では守護神候補の1、2番手だったチアゴ・ビエイラ投手とルビー・デラロサ投手の2人が、いずれも目も当てられないような不振のどん底。さらには中川皓太投手を故障で欠くリリーフ陣の現状を考えると、原辰徳監督や首脳陣、またファンも冷や汗ものの事態だったはずだ。

　そこに現れた救世主が大勢だった。

4月2日の阪神戦で早くも6セーブ目をあげたルーキーの大勢

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　大勢に加えて先発した3人はいずれも戦力としては未知数だったが、そんな若い投手たちが2022年の巨人の開幕ダッシュを演出した訳である。

「それぞれが素晴らしい才能を持った投手。瞬発的にではなく、彼らに1年間を通じて力を発揮させられる形を作る。それが我々の仕事になるね」

　こう語るのは原監督だ。

この若い投手たちはそれぞれが不安材料を抱えている

　華々しい活躍を見せているこの若い投手たちだが、それぞれが不安材料を抱えているのは、ファンも周知のところである。

　山崎と堀田は肘の靭帯再建手術である「トミー・ジョン手術」を受け、リハビリ期間を終えてようやく実戦マウンドに復帰したばかりの投手だ。そして大勢も関西国際大学時代の3年秋に右肘の炎症、4年春にも右肘の疲労骨折と、2度の肘の故障歴がある。

　大きな故障歴がないのは赤星くらいで、それでも大学を卒業したばかりで、1年間フルに野球をやり続けるのは初めての経験となる。

　だからこそ起用法にさまざまな制約をつけて、1年間、しっかり働ける環境を作るのがベンチの役割だということだ。

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