ルーキー大勢22歳が“守護神”に、大器・堀田賢慎20歳がプロ初勝利…躍動する巨人の若手投手を“潰さない”桑田コーチの「年間計画」とは

　勝利と育成――。

　この二律背反するテーマを掲げてスタートした今年の巨人は、この2つの目標があったからこそ快調なスタートダッシュを決めて飛び出したように見える。

　まずは先発陣だ。

　開幕2戦目の中日戦で2年目の山崎伊織投手が先発してプロ初登板。勝ち星こそつかなかったが、6回を投げて4安打自責点2（失点3）とクオリティースタート（QS）を達成して、チームの開幕連勝に貢献した。

　さらに第3戦に先発したのがドラフト3位入団の赤星優志投手だ。もちろんこの赤星もプロ初登板だったが、6回を投げて失点、自責点ともに1とQSを達成。ローテーションの一角に食い込んだ。

ドラ1・大勢がいきなり絶対守護神の座に君臨

　そして神宮球場に舞台を移した3月31日のヤクルト戦では高卒3年目、ヤクルトの奥川恭伸投手やロッテ・佐々木朗希投手と同世代の堀田賢慎投手が、これまた6回を投げて5安打無失点でプロ初勝利を飾っている。

　開幕から6試合を消化してプロ初登板の投手が3試合に先発し、勝ち星は堀田の1勝にとどまったが、全員がQS達成というのは、特筆すべき出来事なのは言うまでもない。

　そしてそこに加えて大勢である。

　150km超のパワーボールを連発するこのドラフト1位右腕は、開幕の中日戦でいきなり2点差の9回というセーブシチュエーションでプロ初登板。1死から大島洋平外野手、岡林勇希外野手の連打を浴びピンチを招くが、最後は2死満塁から5番・木下拓哉捕手をピッチャーゴロに打ちとり無失点でプロ初セーブをマークした。すると翌日の試合では、2点差の9回にマウンドに上がると、3人の打者から2三振を奪う危なげない投球で連続セーブを記録。そして続くヤクルト戦でも2セーブと、いきなり絶対守護神の座に君臨することになった。

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