本当はそれだけではなかった。藤本監督は「二軍スタートで6試合ほど出て結果が出るようになってから一軍戦でスタメンに使おう」と考えていたことも明かした。

“ガルビス出場”の裏で…藤本監督の優しさと厳しさ

　藤本監督は「寄り添う」こととチームの輪を大切にする。キャンプ中、そして今季開幕前にも一軍全選手と個別面談を行った。ガルビスとも話し合いを持った。「意見をどんどん言ってきてほしい」と選手には伝えている。ガルビスの声にも耳を傾けた。

「状態は上がっている。オープン戦は餌を蒔いただけ。本番では大丈夫だよ」

　強がりだったのかもしれない、彼なりのジョークだったのかもしれない。藤本監督も「選手の意見は聞くけど、すべてその通りにするわけじゃない」と言っている。しかし、この時はガルビスの言葉を信じた。

　選手を信じ、最もやりやすい環境を作ってあげること。藤本監督は就任以来、それを大切にしている。

　もちろん優しさだけじゃない、厳しさもそこにはある。今年のキャンプでは藤本監督から叱責されたある若手が涙したことがあったそうだ。

常勝軍団の復権なるか？

　だけど、監督と選手が互いに向き合っているから、今年は選手たちから「監督のため」「監督を胴上げしたい」との言葉を数えきれないほど聞く。

　ガルビスの逆転満塁ホームランも、監督と選手の絆が生んだそれだった。

　優勝なんか目指さないと公言する相手に3連勝したところで……と評する声もあっただろう。だがしかし、藤本ホークスにとっては結束がより確かなものになる価値ある開幕3連勝になった。昨年Bクラスからの逆襲に向けて、鷹は力強く飛翔し始めた。

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