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「たぶん、死ぬなぁ」アジャコング51歳が明かす、“ブル・アジャ抗争”のウラ側…“生涯現役”へ「ジャイアント馬場さんの生き方をめざしたい」
text by
伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byYuki Suenaga
posted2022/04/01 17:02
全女時代のブル中野との壮絶な過去を振り返ったアジャコング
――中野さんから全女の至宝を獲れたことが、カギなんですね。
アジャ でも、いまだにあの人を超えたとは思っていなくて。あのベルトを、私より前に巻いていた全員に対してもそんな思いで、誰一人として超えていない気がする。だったら、誰もができなかった「生涯現役」をめざしてみようかなって。
あこがれはジャイアント馬場の「生涯現役」
――現在は、ダンプ選手が61歳で現役最高齢ですが。
アジャ これは批判ではなく、ダンプ選手は1度やめているんですね。1度もやめることなく現役を続けているのは、先輩の堀田祐美子選手だけ。かつては全女に「25歳定年制」があって、嫌でもやめなければいけなかったという時代背景もあって、ジャガー選手もダンプ選手も引退して復帰されたんでしょうけど、1度も引退しないという生き方では、ジャイアント馬場さん(61歳没)にあこがれています。私が見てきたなかでは、ずっとプロレスラー・ジャイアント馬場のままで、亡くなったときが引退式。最後までリングに上がりつづけて、あれってすさまじく、すばらしいことで、プロレスラーとしていちばん贅沢で最高の去り方。なれるかどうかはわかんないけど、馬場さんの生き方をめざしたい。
もう50歳を過ぎて、アジャコングになって30年以上。本名の宍戸江利花よりアジャコングで生きてきた年数のほうが長くなってますからね、一生アジャコング。まだリングに上がれるなって思えるうちはプロレスラーだし、年をとったら年に1回かもしれないけど、それでも上がりつづけてやろうって。亡くなってお葬式のとき、「あいつはほんとに好き勝手やったアジャコングだったなぁ」ってみんなに送ってもらえる、そんな引退式にしたいな。