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「看護師さんにはすっげぇ怒られて(笑)」 アジャコング51歳が復帰の裏に、“ケガとの壮絶な闘い”があった…語った“両親への感謝”
text by
伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byYuki Suenaga
posted2022/04/01 17:00
手術を経て、大怪我からの復帰を果たすアジャコング
語った“両親への感謝”
――驚異的な回復力だったんですね。
アジャ リハビリも、130度曲がる日が何日も続くと卒業といわれてたんですけど、3日後には曲げられてしまった。「痛くないんですか?」って聞かれて、痛いんだけど、痛みの10段階で手術前が「10」だとすれば、当時は0か1でしかなかった。でも、それを正直に言っちゃうと麻酔を入れてもらえなくなるかもしれないので、「6か7ぐらい……かなぁ」ってウソついて(笑)。結局、2週間ぐらいでリハビリも全部終えてしまったんで、回復は非常に早かったみたいです。
――その強靱すぎる肉体のルーツって、どこにあるんでしょうか。
アジャ 親が丈夫な体に産んでくれたからでしょうね。大金を残してくれたとか、そういうことはなかったけど、自分で食っていける、自分で稼げる立派な体を残してくれた。それがいちばんの財産です。筋肉の付き方やしなやかさ、それを与えてくれたのはありがたいと思います。
――そのエリート体質を、全女の若手時代に褒められたことはありますか?
アジャ 褒めないですよ、誰も。あのときの全女はみんな、足を引っ張ることしか考えてないんだから(笑)。(すでに引退していた)ジャガー横田さんはコーチをしてくださっていたので、「体が立派になってきたね」って言ってくださいましたけど、選手は基本、自分のポジションを奪われないことで必死。人を蹴落としてナンボの世界ですからね。
<#2、#3へ続く>