サムライブルーの原材料BACK NUMBER
VIPルームで学童保育!? ワイン用ぶどう畑やドッグランまで…FC今治の新スタジアムがスゴい! 岡田武史が明かす衝撃的な構想とは
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byToshio Ninomiya
posted2022/03/29 17:00
岡田武史会長が指し示す先に見える、建設中のFC今治新スタジアム。来年1月に完成予定だ
スポーツが社会を変える。夢物語ではなく、今回のコロナ禍が人々の価値観を変えるターニングポイントになっていると語る。
「僕たち古い世代の人たちは、物が足りない時代だったからとにかく頑張って“いつか物質的に豊かになろう”としてきた。でも今の若い人たちはちょっと違う。ある程度物質的に豊かで、そこに固執がない。だからこそ文化的な豊かさにお金を使っていこう、と。コロナ禍によってもっとその傾向が強くなっているように僕は感じている。
昔、ドイツに留学したとき、宗教上の理由で休日はスタジアム以外、店が開いていなかった。でも人々は店が開いてなくてもウインドウショッピングを楽しんでいた。誰か親しい人とそこに行って、帰ってくるだけで満足していた。僕も最初は物足りない週末だったのが、そうじゃなくなった。価値観って変わる瞬間がある。コロナ禍でずっと家に閉じこもっていなきゃいけなかったのが、外に出て散歩したり、ハイキングしたり、そこに幸せを感じた人も少なくないと思うから」
日本ハムの新球場とは「スケールが全然違うよ」
里山スタジアムのコンセプトは、アフターコロナにおける日本社会のニーズ。岡田はそう確信を持つようになっている。
日本のスポーツ界で最も注目されている新スタジアムと言えば、北海道日本ハムファイターズが北広島市に建設している「エスコンフィールド北海道」(2023年3月開業予定)だろう。建設費用は約600億円と、今治とはまさにケタ違いだ。最新設備のボールパークに加え、天然温泉なども楽しむことができるとか。公園、商用施設、レジデンスもつくられ、ボールパークを中心とした都市ができるという感覚に近い。
この話を振ると「スケールが全然違うよ」と岡田は苦笑いを浮かべる。