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「クボ潰しにロドリゴが戻ってこない?」 “レアルでのライバル”に削られた久保建英… 手痛い敗戦の内実〈撮影者の視点〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/03/19 11:00
久保建英に対してロドリゴが“攻撃”したとも報じられているが、試合全体を通じてみるとルーカス・バスケスとのマッチアップが目立った
さらにマジョルカは細かいパス回しから、久保が縦に抜け出しますが、ここはカゼミーロにうまく対処されました。
マドリーがマジョルカ陣内で攻勢をかけた際には、久保も自陣まで戻って守備に追われました。球際の競り合いでロドリゴがかなり激しく久保に迫ったシーンでは、ベンゼマが久保のもとに駆け寄る姿が見られました。
今回のマドリー戦への対策として、普段とは違う左サイドからチャンスを作り出そうとする久保の姿が撮影できました。この起用に関して――1点は、マドリー左サイドでのビニシウスとベンゼマのコンビネーションがかなり強力なため、そこへの守備の強化。もう1点は、久保をその守備タスクから解放して逆サイドで攻撃の起点になることが想定されました。
しかし、慣れないポジションの影響か、パスの精度に物足りなさを感じました。得意のドリブルでの仕掛けの際も、ボールが足につかずタッチがわずかにずれてしまうようなシーンが見られました。
そのわずかなミスを逃さずボランチのバルベルデが激しく久保に詰めよりますが、なんとか相手のファウルとなりました。直接ゴールを狙える位置でのFKとなりましたが、ボールはダニがセット。久保は、直前で受けた痛みを見せつつ離れた位置に立つと、トリックプレーで久保のもとにパスが入り、直接シュートを狙うもミートすることができませんでした。
対面のバスケスに何度も倒されるシーンが
しかし、この頃になるとマドリーの攻勢を受けながらも、散発とはいえマジョルカもマドリーゴールを脅かすシーンが。先制点の期待からか、スタジアムから自然とマジョルカコールが響き始めました。そんな会場の雰囲気に呼応して両イレブンもヒートアップ。熱くなったアンヘルを久保がなだめるシーンもありました。
一進一退の攻防が続く前半の終盤、アンヘルの抜け出しからそのこぼれ球にマフェオが反応してこの日最大のチャンスを迎えましたが、シュートはポストを叩いて外れていきました。マフェオは、マドリー攻撃の起点となるビニシウスと対面で守備に奔走する中での攻撃参加でした。