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なぜ久保建英が“幻のアシスト”直後、代理監督と言い合いに? レアル戦前に好調だがマジョルカは…〈撮影者の視点〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/03/10 17:00
セルタ戦での久保建英。“幻のアシスト”があるなど、レアル・マドリー戦を前に調子は上がっているようだ
ですが……マジョルカは普段使い慣れていないフォーメーション、メンバー構成と守備面でのもろさが出ます。前半13分、アルビレックス新潟でのプレー経験もあるチアゴ・ガジャルドにゴールを許してしまいました。ボックス内にマジョルカの人数も揃っているように思えましたが、ぽっかりとマークが外れていました。
幻のアシストの後で、なぜ代理監督と?
セルタのゴールから4分後、久保も絡んだ流れから――初先発のゴンザレスがゴールを奪い、マジョルカが1-1の同点に追いつきます。
それでも前半25分、1失点目とも通ずる形でセルタに追加点を奪われました。連戦の疲れなのか、守備陣がボールウォッチャーになってしまい、飛び込んできたデニス・スアレスに対してマークがつけませんでした。
1-2とされ、再び同点に追いつきたいマジョルカですが――久保を前線に配置していることもあってか、中盤の構成力でセルタに力負けし、なかなかポゼッションできません。そんな中、久保はサイドへの飛び出し、または切り込んでからのシュートを狙いました。ただ1点ビハインドのまま、ハーフタイムへ。
メンバー変更はなく、後半がキックオフ。すると開始早々に久保が中盤でボールを受けると、ファールで倒されました。かなり距離のあるFKでしたが、キッカーは久保。GKは飛び出せず、かつDFラインの裏に放り込まれたボールをライジョがシュート。相手DFアイドゥに当たったボールがゴールに流れ込み、2-2と再度マジョルカが追いつきます。
そのため、相手オウンゴールということで、残念ながら久保のアシストにはなりませんでした。
前々節のバレンシア戦でマジョルカは、かなりのFKのチャンスがありながらゴールにつなげられませんでした。だからこそ残留に向け、キッカーは誰が務めるのかを含めてFKの精度を高める必要がありそうです。FKからのゴールが増えれば、簡単に久保の突破をファウルで止めることも出来なくなるはずです。
ドロー狙いの守備的布陣への変更に……
得点のセレブレーション直後、久保と代理監督が言い合っている様子が撮影できました。この直後からマジョルカは久保をサイドに配置。5-4-1のような、かなり守備的な布陣を敷きました。このまま同点で試合を終わらせようとした決定への抗議だったのかもしれません。
この試合ツートップを組んだ久保とムリキでしたが、うまく機能していたとは言い難かったです。
守備的に試合を終わらせようとしたマジョルカでしたが、61分、エースのイアゴ・アスパスにゴールを決められて、2-3と突き放されてしまいました。ガックリと肩を落とす久保の姿が見られました。