2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
さそり座の女でトップバッター歴代最高点…モグライダーが語る“M-1後日談”「じつは美川憲一さんご本人に会って、食用サソリを食べました」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShiro Miyake
posted2022/03/13 17:02
結成12年でM-1決勝初出場となったモグライダー。芝大輔(ツッコミ担当、38歳、左)とともしげ(ボケ担当、39歳)。ウッチャンナンチャン、出川哲朗、ナイツらと同じマセキ芸能社所属
芝 悔しさはもちろんあったんですけど、僕らがトップで出て、いい火付け役になったぞという感触はあったんです。そして、2番手のランジャタイでクチャってなってたけど、3番手のゆにばーすで仕切り直しになった。ただ、続くハライチでも爆発せず、5番手の真空ジェシカもいい感じだったけど、まだ爆発しなかった。そろそろドカーンと来て欲しいなと思っていたら、オズワルドでバーンとなった。偉そうな言い方ですけど、ひとまず、これで今年のM-1も及第点に乗ったぞ、みたいな気持ちになって。だったら、俺らも、これでお役御免だな、と。
――やることやったと。
芝 はい。裏に下がったあとは、タバコを吸ったり、ウロウロしつつ、他の人のネタを観たりしてましたね。
――最終決戦が終わったときは、どこが優勝したと思いましたか。
芝 錦鯉さんかな。
ともしげ 僕も錦鯉さんだと思いましたね。錦鯉さんは去年、忙しくて1個も新ネタをつくれなかったらしいんです。でも、やっぱり面白い。
芝 この1年、ほとんどライブで錦鯉さんに会わなかった。準決勝前、ネタ調整で久々にライブで一緒になったんです。決勝でやった2本は、どっちも知ってるネタだったんですけど、また違った感じでバッチリ仕上がっていた。決勝当日、持って行かれるとしたら錦鯉さんだろうなとは思っていました。僕らの順番が後半で、最終決戦に残れていたとしても、錦鯉さんとうちらでは格がぜんぜん違ったと思います。錦鯉さんは、われわれの憧れでもありましたし、もう人間性が完成していたので。
――でも、今まで、順位的には8位なのに、大会後、これほど反響のあったコンビはいないのではないでしょうか。
ともしげ 8位の浮かれ具合ではないですよね。われわれも、周りも。
――M-1で披露した歌ネタが美川憲一さんの「さそり座の女」をもとにしていたので、YouTubeでは美川憲一さんと共演までしていました。最後、乾燥した(食用)サソリを食べさせられていましたが、芝さんは、むせていましたね……。
芝 水分がまったくないエビせんみたいで。虫感がすごかったですね。
<#1、#2から続く>
(写真=三宅史郎)