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さそり座の女でトップバッター歴代最高点…モグライダーが語る“M-1後日談”「じつは美川憲一さんご本人に会って、食用サソリを食べました」
posted2022/03/13 17:02
text by
中村計Kei Nakamura
photograph by
Shiro Miyake
「いいえ私はさそり座の女♪」美川憲一『さそり座の女』のネタを披露したモグライダー。トップバッターとしての歴代最高点を2人はどう感じたのか? そして美川憲一さんと会ったという“後日談”も聞いた(全3回の3回目/#1、#2へ)。
――よくも悪くも「ともしげさんの出来次第」と言うモグライダーの漫才ですが(#1)、M-1決勝は、大きなミスはないと言えばなかったんですよね。
芝 ノーミスと言えば、ノーミスですね。僕らは必ずしもそれを目指しているわけではないんですけど。
――いつも見ている人が見ていたら物足りないかもしれない。
芝 そうでしょうね。ともしげが間違えまくって、それを僕がうまいこと処理していくというのが、僕らの漫才の醍醐味なので。M-1で僕らのことを初めて見た人は、それでも本当に間違えているように思えた部分もあったかと思うんですけど。
「さそり座の女」は初めて、そういうのを意識してつくった漫才でもあったんですよね。M-1用に、というか。やっぱり、テレビとライブでは、お客さんがおもしろがるところはぜんぜん違うので。テレビ用に輪郭をはっきりさせる作業は、ものすごく丁寧にやってきたつもりです。
ともしげ それまでは、僕らとしては、間違えてもいいと思って間違えてるんですけど、審査員からしたら、ミスしたなって、減点対象になってしまうこともあったと思うんです。これ、ネタになってないじゃん、と。
芝 僕らのネタは、再現性がなかったんです。偶然任せの要素が強かったので。だから、今回は、そうならないよう本当に苦労してつくったネタでもあったんです。ノーミスでも自分たちのよさが出るよう、最低限、保証されている。もし、間違えたとしても、それはそれで、もういっちょ火薬を足せるかもしれないという。
ともしげ「敗者コメントが心残りです」
――そういう意味では、大成功だったんでしょうね。トップバッターとしては歴代最高となる637点が出ました。