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「飼い猫虐待」や「DV容疑」だけじゃない、プレミアリーグの“SNS炎上史”… 「ガラスの天才」は3度も喫煙リークの餌食に
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byCharlotte Wilson/Offside(Getty Images)
posted2022/03/06 17:00
2月8日に行われたワトフォード戦、ズマに対してサポーターからの罵声が飛んだという
1度目は2013年の10月、ロンドンのナイトクラブでたばこを吸っているところをパパラッチされている。この際に当時の指揮官は、
「まず第一に、サッカー選手である以上模範となるべきだし、第二に、健康を害するようなことはしないことだ」
と非難する一方で、プレーヤーとしての信頼は失っておらず、その後も継続的にウィルシャーを起用した。
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本人も「あれが最後(のたばこ)になるだろう」と、もう喫煙しないことを公に誓った――はずだったが。
1年4カ月の間に3度の“やらかし”で問題児扱い
2度目はわずか1年足らずで訪れる。2014年7月にブラジルW杯を戦い終え、オフシーズンを過ごすアメリカはラスベガスのプールでたばこをくわえている姿を撮られた。そしてその際にもウィルシャーは、
「後悔している。前にも同じことをしているのを見られている。その時もミスを犯したと言ったし、またミスを犯した」と反省の弁を述べていた。
それを踏まえての3度目である。1年4カ月の間に3度の“やらかし”があったことで、ガラスの天才とは別に問題児のレッテルが貼られてしまったのだ。
ちょうどこの時期に負傷離脱が続いたことも彼に追い打ちをかけた。ある程度喫煙歴があっても、ピッチ上で唯一無二の存在であればそれほど問題視されなかったはずだ。しかしプレーすること自体なかなか叶わなかったために、素行不良のイメージが先行してしまう形となった。
現在30歳となったウィルシャーは先日、デンマークのオーフスGFとの短期契約を締結。あるべき姿に戻るべく、今もなお奮闘している。
バベルやウィルシャーのように、これまでにもSNS発のトラブルやリークがあるにはあった。しかし今回のグリーンウッドやズマのような、倫理に反する重大な事案は過去の事例と大きく異なる。個人の処罰で完結するたばことは違い、二度と繰り返されてはならないことだ。