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オシム「美しさはないが、何度も…」巻誠一郎→我那覇和樹が泥臭く決めた一撃を“代表ベストゴール”と称えた理由
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byTamon Matsuzono
posted2022/03/29 06:01
オシムジャパンのセンターフォワードとして活躍した我那覇和樹
いつの日にかもう一度ピッチに立ちたい
そのピッチ上にもベンチにも、札幌でのサウジとの予選ホームゲームで2得点を決めた我那覇の姿はなかった。ドーピング問題(後にスポーツ仲裁裁判所に提訴し全面的に勝訴)の渦中にあった彼を、オシムはベトナムに連れて行くことができなかった。
「残念だったが仕方がなかった」とオシムは当時を振り返る。
そしてオシム自身も、アジアカップから4カ月後に脳梗塞に倒れ、二度と日本代表のベンチに戻ることはなかった。「日本化」もまた未完のままに終わった。
彼は思いをこう語っている。
「どんな小さなクラブでもいい。いつの日にかもう一度ピッチに立ちたい」と。
果たせなかった望みとともに、オシムの心は今もピッチにある。<トルシエ編、ザック編に続く>