――素顔のY選手時代は、自分で選曲したんですか？

ライガー　『ロッキー』のテーマを使ってたんですけど、あれはどうだったかな？

棚橋　『ロッキー』のテーマを使ってたんですか!?

ライガー　そう。当時はまだ髪の毛があったのでバンダナ巻いたりして、それがちょっとロッキーに似てるってことで。あくまで髪型の話だけどね！

――たしかにロードワーク中のロッキーにちょっと似てましたね（笑）。

ライガー　でも、今思うと恥ずかしいよね。若さって怖い。棚橋選手は入場曲の意味合いとか語ってるのに、自分はロッキーだもん。よくやったなと思うよ（笑）。

――ベタ中のベタで（笑）。

棚橋　ロッキーが流れたら、みんなの記憶がロッキーに引っ張られますよね。

ライガー　しかも出てくるのがコレだから（自分を指さしながら）。「髪型は似てるかもしれないけど、顔は全然似てないじゃん！」みたいな（笑）。まあ、無理がありましたよ。ライガーになって曲を変えられてよかった。

――『怒りの獣神』は30年以上使い続けて、今や世界中のプロレスファンに知られる曲ですからね。

ライガー　じつはアニメ『獣神ライガー』の主題歌は途中で変わったんですけど、僕は最初の曲が気に入ってたし、変える必要もないと思って、それ以降もずっと使い続けたんです。

“入場がピーク”は蝶野さんあるある？

棚橋　僕はライガーさんがあの曲を使い続けてくれたことが、すごく助かりましたね。

ライガー　えっ、なんでなんで？

棚橋　というのも、2000年代前半の新日本が苦しい時代、なかなか盛り上がらない会場も多くて、控室で出番を待っている選手はそういうのが気になるんですよね。でも、ライガーさんの入場だけは、イントロが流れた瞬間からテンション爆上げで会場がワーッとなるので、「ああ、良かった」って、ホッとしたことが何度もあるんですよ。だから当時の新日本は、あの曲に救われました。

ライガー　入場で盛り上がったあと、試合が始まるとじわじわ落ちるけど（笑）。

棚橋　入場がピークっていう。“蝶野さんあるある”みたいですね（笑）。

ライガー　ワハハハハ！　棚っちょ、言うね～！

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