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パワハラ問題に揺れた旧友・金明輝(鳥栖前監督)への想いも…40歳梁勇基、仙台復帰で誓う2009年の再現「J2降格は他人事ではなかった」 

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キム・ミョンウ

キム・ミョンウKim Myung Wook

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photograph byVEGALTA SENDAI

posted2022/02/19 17:00

パワハラ問題に揺れた旧友・金明輝(鳥栖前監督)への想いも…40歳梁勇基、仙台復帰で誓う2009年の再現「J2降格は他人事ではなかった」<Number Web> photograph by VEGALTA SENDAI

3年ぶりに古巣・仙台に戻ってきた梁勇基。J2で迎える新シーズンでは、10番とキャプテンマークを託された

 ちなみに梁と金監督は小学校時代からの旧友だ。

 日本生まれの在日コリアンである2人は、小学生の頃は地元の朝鮮学校に通った。年に1回、日本各地にある朝鮮学校のサッカー部が集まる全国大会で、初めて互いの存在を知った。

「小学生なのに一人だけものすごく背が高くて目立っていたのはミョンヒ監督でした。中学時代も試合をしたことがありますが、互いに存在を意識したのは、高校時代からです。僕が大阪朝鮮高のMFで、ミョンヒ監督は初芝橋本のセンターバック。近畿大会や練習試合などでよく試合をしていたのですが、本当に負けず嫌いでガツガツくるタイプ。対戦相手としてはいつも嫌な存在でした」

 懐かしい昔話ほど笑顔になれるもので、旧知の仲だからこそ、分かり合えることもある。

「ミョンヒ監督から声がかかった時もすごく不思議な感じがしました。それに自分も長く現役を続けられているからこそ、そういう巡り合わせがあったわけなので、ものすごく縁を感じますよね」

 互いにプロサッカー選手になったあと、指導者に転身した金から声がかかり、同じチームの一員になった。

「いろいろな意見がありますが、個人的にはまたサッカーを通して仕事ができたら、という思いはあります」

 同じ土俵で苦楽を共にしてきたからこそ、梁には特別な思いがあった。

2009年のJ2優勝&J1昇格

「プロになりたての頃は、現役を続けられても35歳までかなと思っていました」と笑う梁も40歳だ。

 “意外”と長くプロサッカー選手を続けられている、という感覚はある。54歳でのカズの現役続行のニュースを見て「刺激にはなりますし、僕もうれしい気持ちはありますが、自分は到底、真似できないです。自分が歳を重ねるたびにそのすごさは感じます」と舌を巻く。

 しかし、今季J2が舞台となる仙台で、ベテランとしてJ1昇格に導く活躍を期待するサポーターやファンも多いことだろう。

 個人的には2009年にキャプテンとして仙台をJ2優勝とJ1昇格に導いた時の再現を期待しているのだが、「自分が前回、戦っていたJ2リーグとは違って、よりレベルが拮抗していて、難しいリーグになっているのは間違いない。前回昇格した時のイメージや感覚は捨てて、すべて一からです」と謙遜する。

 ただ、それでも何かやってくれるという期待感が大きいのも事実。それに若い選手たちにもたらす影響力や存在感が、チームにプラスになるのは想像に難くない。

【次ページ】 40歳の梁勇基が表現したいもの

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