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平野歩夢“不可解な採点”直後の神ワザ… 「北京は特別な五輪になる」という予言と、憧れの宿敵ショーン・ホワイトの祝福 

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photograph byNaoya Sanuki/JMPA

posted2022/02/11 20:00

平野歩夢“不可解な採点”直後の神ワザ… 「北京は特別な五輪になる」という予言と、憧れの宿敵ショーン・ホワイトの祝福<Number Web> photograph by Naoya Sanuki/JMPA

日本史上初となるスノーボード金メダリストとなった平野歩夢

「最後のランでアユムを逆転できた瞬間はこれまで経験したことがないくらいの喜びに全身が包まれたよ」

 平昌五輪の戦いを振り返ったインタビューで、ホワイトはこのように語った。ただその一方で「僕は新しいことに挑むことが好きなだけで栄光がほしいわけではないんだ」とも。最高の滑りをしたいという本能が両者にあったからこその、五輪史に残る超ハイレベルなバトルだった。

僕はスピンよりも高さで魅せたい

<名言3>
僕はスピンよりも高さで魅せたい。自分で考えた式と答えの中で、人と違う滑りで上を目指したい。
(平野歩夢/Number975号 2019年3月28日発売)

◇解説◇
 平昌五輪スノーボード・ハーフパイプで、ショーン・ホワイトとの激闘の末に銀メダルを獲得した際の言葉だ。そんな平野は2019年3月に開催されたスケートボードの日本オープン・パーク大会に出場して3位に入るなど、“夏と冬の二刀流”に本気で取り組み、東京五輪で新種目となったスケートボードについて「スルーできない」と語っていた。

 大会が1年延期となったものの、平野は東京五輪の出場権を獲得し、男子パークに出場。14位に終わったものの、日本人5人目となる夏冬五輪出場という快挙を達成した。

 季節は違えど「人と違う滑り」、「高さで魅せたい」という平野の情熱は人一倍だ。そして灼熱の東京から半年後、極寒の北京で平野は“神技”を披露することになる。

「北京は特別な五輪になってくる」という“予言”

<名言4>
僕にとって北京は特別な五輪になってくると思う。大きなチャレンジの中でどこまで行けるか。
(平野歩夢/Number1042号 2021年12月16日発売)

https://number.bunshun.jp/articles/-/851290

◇解説◇
「平昌の後は技術的な部分がレベルアップしていないイメージだったが、ここ半年くらいで急にみんなのスイッチが入って、レベルも急に上がった印象」

 北京五輪を前にして、平野はこう客観的な視点で、ハーフパイプ競技の現状を語っていた。だからこそショーン・ホワイトがかつて挑んだものの負傷で断念した超大技「トリプルコーク1440」への挑戦を決意したのだろう。

 9日の予選では93.25の高得点で1位通過した平野。ソチ、平昌での2大会連続銀メダルから、三度目の正直で金メダルを――そんな期待がかかる中で迎えた11日の決勝も劇的な展開だった。

【次ページ】 2回目の採点には現地でもブーイングが飛んだが

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