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スノボ芳家里菜が脊椎損傷…「防弾氷」のように硬い北京五輪“人工雪コース”の大きなリスク《極寒と風でアクシデント続出》 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2022/02/10 17:02

スノボ芳家里菜が脊椎損傷…「防弾氷」のように硬い北京五輪“人工雪コース”の大きなリスク《極寒と風でアクシデント続出》<Number Web> photograph by AFLO

スノーボード女子スロープスタイルとビッグエアの代表だった芳家里菜は、2月3日の公式練習中に転倒。脊椎損傷(麻痺なし)という大怪我を負った

 いざ現地入りし、練習や試合を迎えた選手たちを苦しめているもうひとつの要素が、風の強さだ。4年前の平昌五輪では連日強風が吹く悪条件のため試合が順延され、それによって日程が詰まることで、予選と決勝をひとつにする実施形式の変更などを余儀なくされた。

 北京でも、風の影響は免れなかった。

「防弾氷のよう。絶対に転倒したくない」

 選手から、人工雪と低気温、風に対する心配の声が上がっていた。スノーボード女子スロープスタイルでソチ、平昌を連覇していたジェイミー・アンダーソン(アメリカ)は、試合に先立つ2月2日の記者会見でこう話している。

「大部分が人工雪だと思いますが、あまり理想的ではありません。(雪面は)防弾氷のようで、絶対に転倒したくありません」

 今大会は9位に終わったが、試合のあと、寒さで体が動かずまた風もあって、「トリックをするのが怖かった」とコメントしている。

 同じくスロープスタイルで予選2位、決勝では10位の成績を残した村瀬心椛も予選後、風の影響について触れている。

「距離を飛べなかったり、あおられてしまったりしたところがありました」

 人工雪と気象条件の影響は、ここまでの例にとどまらない。

 2月7日に行われたアルペンスキー・女子ジャイアントスラロームでは、硬いコースに苦しみ、6人が転倒するなどして途中棄権。ニーナ・オブライエン(アメリカ)は起き上がることができず、そりで運ばれる事態となった。

【次ページ】 経験豊富な選手たちが「今までの大会でいちばん寒い」

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