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小林陵侑「2本目、沙羅もすごくいいジャンプを」原田雅彦が味わったバッシング、葛西紀明も… どう絶望・悲劇を乗り越えたか 

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posted2022/02/10 17:00

小林陵侑「2本目、沙羅もすごくいいジャンプを」原田雅彦が味わったバッシング、葛西紀明も… どう絶望・悲劇を乗り越えたか<Number Web> photograph by Naoya Sanuki/JMPA

ジャンプ混合団体で大ジャンプを見せた小林陵侑。傷心の高梨沙羅を気遣うコメントも残している

高梨が世界屈指の名ジャンパーである証の数々

<名言4>
4年前の自分を見返してやりたい、自分に勝ちたい、ただただその気持ちでやってきました。
(高梨沙羅/Number945号 2018年2月1日発売)

◇解説◇
 ・スキージャンプW杯、男女通じて歴代最多の61勝と表彰台110回
 ・シーズン個人総合優勝4回は女子歴代最多
 ・2013年世界選手権、混合団体金メダル

 高梨の実績を記すだけでも、世界に誇る名ジャンパーであることがあらためて分かる。

 しかし五輪ではなぜか、不運がつきまとった。優勝候補筆頭と目されたソチ五輪では風に恵まれないという影響もあり、4位に終わった。表彰台に上がれなかった高梨は、「女子ジャンプが正式種目に初めて採用された夢の舞台に自分も出させていただいたにもかかわらず、今までの恩返しができず、自分のベストを尽くすこともできなかった」と悔しさをにじませつつ、平昌での雪辱を誓った。

「最終的に勝敗を決めるのは、自分に勝つか勝たないかというところになってくると思うんです。そこでは人間力が問われると思っています」

 平昌での決勝は、1回目で103.5メートルを飛び120.3点。全体3位で臨んだ2回目のジャンプは103.5メートル。合計243.8点をマークし、堂々の3位。表彰台でメダルを首から提げた高梨は、笑顔を見せた。

 そんな人一倍、真摯にジャンプと向き合ってきた高梨に、4年後の北京五輪でまさかの悲劇が襲うとは……。

 個人ノーマルヒルで4位に入賞した高梨は、混合ジャンプ団体の1人目として1回目、103mの大ジャンプを見せた。しかしスーツの規定違反によって失格に。到底飛べるメンタルではないのは誰もが容易に想像できたが、2回目に98.5mの大ジャンプを見せた。冒頭で取り上げた小林の「本当に強いな」の言葉通りである。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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