34歳シーズンに浦和新加入の岩尾憲「サッカー界の流れも変え得る働きを」 “遠藤保仁的なスキル”と若手への好影響《キャンプ現地レポ》

　浦和レッズの沖縄キャンプの雰囲気は、例年と比べて大きく変化していた。

　チームを引っ張るベテランや、チームを盛り上げるムードメーカーが一気に去り、すっかり静かになったのだ。

　しかし、だからこそ目をひくものもある。

　練習中にさりげなくチームメイトにアドバイスを送り、ランニングの際には自然と先頭を走るその姿――。

　34歳となる今季、徳島ヴォルティスから加入した岩尾憲のことである。

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リカルド監督いわく「私のアイデアを一番理解している」

　徳島で4シーズンをともに戦ったリカルド・ロドリゲス監督が「私のサッカーのアイデアを一番理解している選手」と言えば、獲得に尽力した西野努テクニカルダイレクターも「チームの頭脳となれる選手」と期待するボランチだ。

　味方がいてほしいと思うところにいつもいて、サポートしてほしいタイミングで顔を出す。

　こうした連係が、沖縄キャンプどころか1月15日の始動日にはすでに生まれていたから、浦和に何年も在籍しているのではないか、という錯覚に襲われる。

　そんな印象は、ピッチ外から見ている者だけでなく、実際に一緒にプレーする選手たちも抱いているようだ。

「岩尾選手と一緒にプレーしたとき、2人だけで崩せたような感覚を掴めたシーンがあって。前から僕のことを知っているんじゃないかっていうくらいイメージが合うことが多い。自分を生かしてくれそうだっていう期待が大きいです」

　サイドに入る関根貴大が相性の良さを語れば、トップ下の小泉佳穂も興奮を隠さずに言う。

「初めてプレーしてすぐに『合うな』って。敵を見つつ、僕のことも見ながらポジションを取ってくれるし、周りがよく見えていて、パス&コントロールもうまいので、やりやすい。岩尾選手のことをもっと知って、考えていることを吸収できたら、僕自身の引き出しも増えそうな気がします」

日体大時代から目標にしているのは遠藤保仁

　岩尾がボランチでプレーする機会が増えたのは、日本体育大時代から。それ以来、ずっと目標にしている選手がいる。

　長らく日本代表の中盤を支えた遠藤保仁だ。

「それこそ当時は、遠藤選手が出ている試合は欠かさずフルタイム見て、終わったときには頭が痛くなるくらい考えながら見ていました」

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