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「以前はガンバ一筋で、クラブに残る形がいいな、と」FC今治退団後、オファーを待ち続ける42歳橋本英郎が「引退」を考えないワケ 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byFC.IMABARI

posted2022/02/01 11:02

「以前はガンバ一筋で、クラブに残る形がいいな、と」FC今治退団後、オファーを待ち続ける42歳橋本英郎が「引退」を考えないワケ<Number Web> photograph by FC.IMABARI

昨季限りでFC今治を退団し、Jクラブからのオファーを待つ橋本(写真は昨年のガイナーレ鳥取戦)

「ヴェルディのときに2年連続で(昇格)プレーオフに行くことができて、体も動くし、全然まだやれるなと思ったんです。そんなときに今治から誘われたんです。地域密着で町の人に愛されるクラブを目指していくなかで、今治だから経験できたこともたくさんありました。もし僕がずっとガンバで続けていたら、サッカースクール(プエンテFC)も立ち上げていないし、とっくに現役をやめていたとは思います」

 今治でのチャレンジを終え、年が明けてもプレー先が決まっていない今の状況をモチベーションに変えようとしているのが今だ。

“もうこの熱量で続けるのは無理やわ”と思えるまで

 ガンバでも経験してきたこと。自分の意思で決まるものではないのならば、割り切って切り替えるしかない。新しい環境は新しい自分と出会う機会でもある。何歳になろうとも、それは変わらない。

 プレーできるならどこでもいいというわけではない。ビジョンとロマンに共感でき、モチベーションを注げるチームであれば地域リーグであっても構わない。少なくとも今、オファーを受けているチームとは「しっかり話し合ってみたい」とも語る。

「希望を言えば、きちんと目標があって将来につながるものが見えるチームでプレーしたいというのはあります。それにケガしたままで終わっていますから、自分がちゃんとやれるところも見せたい。いつか“もうこの熱量で続けるのは無理やわ”と思えるまで完全燃焼したい、それだけです」

 橋本英郎は、いつもしぶとい。

 階段を下りたと見せかけてまた上がっていくに違いない。

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