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ソチ、平昌、そして北京へ…3種目出場の高木菜那、“集大成”のレースへ「オリンピックでメダルを2つ取ったプレッシャーはなかった」《室伏広治氏に師事》
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKYODO
posted2022/02/02 11:00
北京五輪に臨む高木菜那。2月7日の女子1500m、15日に決勝がある女子チームパシュート、19日の女子マススタートの3種目に出場
最終組の1組前で滑った菜那は、気迫がほとばしるような滑りを披露した。1分54秒84は、4年前の平昌五輪代表選考会での1分58秒34(8位)を大きく上回る会心のタイム。最終組の小平のタイムが1分55秒56であるのを確認すると、チームパシュート金メダル仲間の佐藤や美帆と抱き合って喜んだ。
「小平さんと正々堂々と戦うレースで出し切れた。勝つか負けるかという中で、オリンピックで滑りたいという思いで滑った」
「オリンピックはやはり違う場所」
1分54秒84については「ここでこのタイムで滑れて、オリンピックでも表彰台に上がれるのではないかという自信に繋がった」と胸を張りながら、一方で慎重な見立てもある。
「以前よりも個人種目でも海外勢と張り合えることができているのではないかと思っているが、ただ、そういう実感もありつつ、他の国の選手がどこまでW杯に照準を合わせてきているのかは不透明なところがあります。W杯で戦えていても、オリンピックはやはり違う場所。本番でしっかり戦えるようにしていきたい」
2種目連覇というとてつもない目標があるチームパシュートとマススタートについても、気持ちを引き締めている。
「チームパシュートに関しては他の国の選手がどんどん強くなっていると感じている。自分たちも、もっと強く危機感を持って練習していかなければいけない」
マススタート連覇に立ちはだかるオランダ
マススタートはこの2年間、国際大会でこの種目を滑っていないことがどう影響するかという不安もある。
「“初代女王”ではあるが、今はオランダの選手がすごく強い。そこにどうやって戦っていくかというところが一番大切なんじゃないかと思っている」
昨年末の北京五輪代表選考会では「日本での最後のレースになるかもしれない」とも語っていた。「集大成として臨む」と言い切る北京五輪。すべての思いをレースに注ぎ込む17日間の戦いがいよいよ迫っている。
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